紅葉の温泉を探せ 5-6

6.どうしても露天風呂に入りたいと言ったら入りたいんだ

　海の見える露天風呂が理想的だったが、なかなかどうして見つからないから、仕方が無い、宿泊先の休暇村羽黒に近いところで、やまぶし温泉ゆぽかに行こう。あのあたりは、ゆぽかの他にもくしびき温泉ゆ～Townとかかたくり温泉ぼんぼとか、ネーミングが同系列な大型センター系日帰り専門温泉がいくつかある。確かゆぽかは露天風呂を備えているんじゃなかったかな。

　やまぶし温泉ゆぽかは、湯の浜への道すがら見つけて、既にカーナビに場所を入力してあった。曲がり角からのぞくと立派な建物が見えたので、きっとあれがゆぽかだろうと思ったら、近づいたらそれは保育園だった。すごいゴージャスな保育園だな(笑)。ゆぽかはその隣。やはりそれらしい立派な三角の建物で、駐車場の混雑具合を見ても人気があることが見て取れる。

　大人350円、小学生未満無料となかなかリーズナブルだ。休憩料金は有料だが、それでも大広間使用なら大人200円の追加で良い。家族風呂つきの個室などもある。
　さっきの湯の浜温泉で入らないといったカナだが、どういう風の吹き回しか今回はいそいそと入って行く。やっぱり温泉が嫌いというわけではなく、入りたいときと入りたくないときがはっきりしているだけのようだ。それにいかにもお風呂だけを借りるという感じの旅館の立ち寄りより、アミューズメントパークっぽい立ち寄り専門施設の方が気に入っているのかもしれない。微妙なお年頃だ。

　脱衣所にはちゃんとベビーベッドもある。入浴客も家族連れが多い。タオルなどは持参しないといけないが、浴室入り口に無料の足拭きマットが積んであり、ご自由にどうぞと書かれているのが画期的だ。常連が多いのか、シャンプー、ボディーソープ備え付けなのにマイ・シャンプーを持ち込んでいたり、ペットボトルに入れた飲み物を持ち込んでいたりする人が多い。

　洗い場はそれなりの数があるが、祭日の今日はさらに入浴客の方が多い。ひとつ空いていた席に陣取り、子供たちの髪や体を洗ったが、席を立ったらずらりと後ろに人が並んでいた。

　内湯は無色透明。寝湯やジャグジーなどがある。露天風呂は内湯と違って黄色っぽいお湯だ。気持ち温めくらい。カナとレナの好みの温度だ。深さも浅めで平ら、子供が入りやすいお風呂だ。
　とてもしょっぱいお湯で乗り茶漬け風の味。臭いは淡いアブラの臭い。光に透けるとごく細かい粉のような湯の花と油膜のようなものが少し表面に浮いている。ちょっと飛沫が上がるとしばらくそこだけ湯面にぱちぱちとはじけるような感じがある。泉質はナトリウム-カルシウム・塩化物温泉となっていたが、強塩泉と書いていないのが不思議なくらい塩分が強い気がする。とても温まり、涼んでいると塩泉らしい肌がつっぱるような感覚。
　カナもレナもこの露天風呂にははまりまくってしまい、これまたいつまでも上がらない。あきれるほど長湯をしていた。
　湯上りは拭いても拭いても汗か海水のようにいつまでもべたつく感じ。完璧に乾いて、ようやくさらさらになった。
　脱衣所にはお風呂上り用に冷水のサーバーなどもあって痒いところに手が届く。こういうのがファミリーユースで人気のある秘訣なんだろう。