子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★☆☆ 湯温は適温、刺激は無いが塩分が強いので長湯は禁物
- 設備★★★★★ 雰囲気★★☆☆☆ 脱衣所にベビーベッドあり、割と家族向けの施設
子連れ家族のための温泉ポイント
元禄二年6月、齢四十六の松尾芭蕉が羽黒から出羽三山に詣でた。厳しい巡礼の道を数日かけて月山まで登りつめ、「雲の峯幾つ崩れて月の山」と句を残している。
羽黒といえば、芭蕉が歩いた出羽三山であり、出羽三山といえば、羽黒派古修験道の山岳修験の山である。独特の白装束に身をかため、俗世界から離れて山に籠り修行を続ける修験僧を山伏と呼ぶ。
やまぶし温泉ゆぽかは、平成9年にオープンした羽黒町営日帰り温泉施設だ。
宿泊していた休暇村羽黒からも近い。
連休中の夕方だったこともあり、駐車場はかなり混雑していた。人気があるのだろう。
大人350円(訪問当時の料金設定)、小学生未満無料となかなかリーズナブルだ。休憩料金は有料だが、それでも大広間使用なら大人200円の追加で良い。家族風呂つきの個室などもある。直前の湯野浜温泉では入りたがらなかった6歳の長女も、こうしたアミューズメント施設っぽいつくりは好きなようだ。自分からいそいそと入っていく。
脱衣所にはちゃんとベビーベッドもある。入浴客も家族連れが多い。タオルなどは持参しないといけないが、浴室入り口に無料のマットが積んであり、ご自由にどうぞと書かれているのが画期的だ。常連が多いのか、シャンプー、ボディーソープ備え付けなのにマイ・シャンプーを持ち込んでいたり、ペットボトルに入れた飲み物を持ち込んでいたりする人が多い。
洗い場はそれなりの数があるが、祭日の今日はさらに入浴客の方が多い。ひとつ空いていた席に陣取り、子供たちの髪や体を洗ったが、席を立ったらずらりと後ろに人が並んでいた。
内湯は無色透明。寝湯やジャグジーなどがある。露天風呂は内湯と違って黄色っぽいお湯だ。気持ち温めくらいで我が家の子供たちの好みの温度。深さも浅めで平ら、子供が入りやすいお風呂だ。
とてもしょっぱいお湯で海苔茶漬け風の味。臭いは淡い油の臭い。光に透けるとごく細かい粉のような湯の花と油膜のようなものが少し表面に浮いている。
ちょっと飛沫が上がるとしばらくそこだけ湯面にぱちぱちとはじけるような感じがある。
泉質はナトリウム-カルシウム・塩化物温泉となっていたが、強塩泉と書いていないのが不思議なくらい塩分が強い気がする。とても温まり、涼んでいると塩泉らしい肌がつっぱるような感覚。さすが高張性温泉、濃厚だ。
長女も次女もこの露天風呂にははまりまくってしまい、これまたいつまでも上がらない。あきれるほど長湯をしていた。
湯上りは拭いても拭いても汗か海水のようにいつまでもべたつく感じ。完璧に乾いて、ようやくさらさらになった。
脱衣所にはお風呂上り用に冷水のサーバーなどもあって痒いところに手が届く。こういうのがファミリーユースで人気のある秘訣なんだろう。