3.ホントに着くのか川原毛大湯滝
更に行くと三叉路があった。ここで道を間違えるとまたまた時間のロスなので、工事現場があったのでそこで人に聞いてみた。
この道は右に行き、ここから15分ほど行くと三途川渓谷の先で左に曲がる道がある。お祭りによくあるようなのが立っているからよく判るよと教えてくれた。川原毛は地獄と言うだけあって、どうも三途の川を渡らないと辿り着かないらしい。
お祭りってなんだろうと思ったら、曲がり角で道の両端に「川原毛地獄」と書かれた白い大きな幟がはためいているのだった。なるほどこれなら判りやすい。今度こそ間違いなく滝の温泉に着くはずだ。
道は一本道で細いがちゃんと舗装されている。対向車もしばしばあり、こんな陽気に大湯滝に行く人がそんなに多いのかと驚かされる。
着いたところは確かにさっき見た白い地獄山の中腹らしい。トイレと管理の人がいて、駐車場のそばにも酸性の川が流れていてところどころの湯壷には大胆に入浴している人もいる。しかし流石にここらは高温らしく、注意書きの看板もある。適温の滝つぼに行くならここから15分ほど下らねばならない。
「で、どこなの、それ」
「うん、ここから歩くの」
「歩く~!!?」
えーん、昨日もそう言ったじゃない。やっぱり来なきゃ良かったと思う?
空は重く垂れ込めたままで、鬼首からこちら、時々薄明るくはなるものの、たまにぽつぽつ雨が落ちてくることもあった。気温は20度は切っていると思う。長袖にフリースを着ていてちょうど良いくらいだからだ。幸い風は無い。
川原毛大湯滝は7月から9月中旬がベストの気候だという。本当に入れるのだろうか…。
駐車場にあるトイレをお借りしていると、他のお客さんとトイレの前に座った管理の人が話している声が聞こえた。
お客さんが大湯滝のことを聞いて、管理の人がぬるいよ、入るような日じゃないと答えたらしい。寒いけど飛び石連休の土曜日、滝の温泉に入りたいとわざわざやってくるお客さんも少なくないのだろう。
でも質問したお客さんもそれでも行ってみることにしたらしい。タオルなどを入れた袋を提げて遊歩道へ向かっていった。遠くはるばるやってきたのだから私たちも行ってみようか。入れないかもしれないけど。