夜の散歩から戻ると、部屋は布団が敷いてあるだけでなく、テーブルには紅茶のポットとクッキーが用意されていた。
この宿のこういうところがにくいと思うの。
部屋のクローゼットにはタオルや浴衣だけでなく、フリースのひざ掛けや足袋が揃えてあって、女性の分だけお風呂道具を入れる袋も布製で縮緬の和柄だったりするのよ。
日置市営公衆浴場が定休日だったので、あとはもうみどり荘のお風呂をひたすら満喫することにする。
まずは家族風呂に行ってみた。
家族風呂は日帰り入浴を受け付けている間は使用前に受付に電話で空きを確認して、簡易な予約状態にして使うことになっているが、日帰り終了後は宿泊客は自由に鍵を掛けて貸切風呂として使える。
男女各大浴場の隣におまけみたいに付いていて、使われているお湯は大浴場同様、共同源泉+自家源泉。
たぶんこの市から供給される共同源泉がさっき閉まっていた公衆浴場でも使用されているものと同じなのだろう。
2、3人用の四角い石の浴槽で、池に面している側に嵌め殺しの広い窓が付いているがもう外が暗いので何も見えない。
露天風呂より山で嗅ぐような硫黄系のにおいは強い。味はやはり苦味がある。
大きな違いは肌触り。オイルを引いたようにトロトロで、お湯にとろみを感じるほど。
体感温度は露天風呂同様、熱く感じるが入ればさほどではない。
しかしこちらはすぐにあたたまる感じで、そんなに入りっぱなしではいられない。
湯上りは少し乾いた感じになるが概ねすべすべ。
大浴場も同じだが、カランから出てくるのも水道水ではなく全部源泉だ。