離れの部屋は渡り廊下の右側に並んでいた。
ひとつひとつ離れて独立した部屋を想像していたが、四つの客室が渡り廊下で一列につながっているのでそういう意味では普通の旅館の部屋とあまり違わなうように見える。
しかしドアを開けるとまず玄関があるところが違う。
そして部屋の窓からはまるでプライベートな別荘であるかのように湖が見えた。
やっぱりこの宿はいい。
部屋に入ってそう感じた。ここを最終日の宿泊先に選んだのは正解だ。
その気持ちはこの後お風呂に入ったり食事をしたりして益々強くなることになる。
さて、暗くなる前に露天風呂に行って来よう。
みどり荘のお風呂は湖畔に点在している。
まず私たちのいる離れからさらに先へ進むと朝食会場などに使われる食事処、それから女湯の大浴場、男湯の大浴場、その二つの大浴場の隣にそれぞれ小ぢんまりとした家族湯が付いている。
男女別大浴場の先が男湯露天風呂。
それから少し湖畔を歩いて、赤い柵で囲われた観音堂があり、その先が女湯露天風呂。