鰻温泉を私に教えてくれたのは私の温泉の師(と勝手に仰いでる)の一人、なっちゃんだ。
昨日twitterでそのなっちゃんが鰻温泉と開聞温泉を教えてくれた。
だけど正直なところ、昨日は鰻温泉に寄れるとは思っていなかった。
指宿で泊まるこらんの湯錦江楼の他、村乃湯と殿様湯でいっぱいいっぱい。さっさと次の観光地に行こうと言われるとばかり思っていた。
河原湯(こらんゆ)や鰻温泉に寄れるようになったのは、ひとえに殿様湯でいぶすき湯めぐりパスポートを貰ったおかげだ。
昨日開聞岳と菜の花畑の写真を撮った池田湖の東南に鰻湖という一回り小さな湖がある。
鰻温泉はその東側の湖畔に小ぢんまりとした温泉街を形成している西郷隆盛ゆかりの温泉地だ。
指宿の町中と比べると山の中。瓦屋根の古い家が目立つ。
場所も海からは離れているが、圧倒的に塩っぽい「塩化物泉」ぞろいの指宿の中で、単純硫黄泉となっている鰻温泉は異色の存在のようだ。
鰻温泉に近づくとあちこちから真っ白な湯煙が上がっているのが見える。
鰻温泉の駐車場の一角にも卵を蒸すような場所があってやっぱり湯煙が上がっている。
ここは民家で受付ではなく、独立した共同浴場になっていてちゃんとした受付がある。
そしてこの温泉は混んでいた。もちろん地元の人ばっかりだったけど。
まず脱衣所に湯上りのおばあちゃんが座っていて、通る人通る人、入浴客も施設の人もお構いなしに「いい湯だよ。ここ、いい湯だよ」と、うわごとのように繰り返している。
脱衣所の出口には、やっぱりご先祖様であるかのように西郷隆盛の写真が額に入れて飾られている。
浴室は入浴客の人数の割に狭かった。
浴槽は楕円形でタイル張り。壁も下の方はやっぱりタイル張り。
お湯は無色透明で、かなり熱い。
楕円形の浴槽の端っこに湯口があるが、上向きについている蛇口のような形でお湯はそこから溢れて浴槽に落ちるようになっている。
浴槽中に漂っているシャンプーのにおいで感知しにくいが、ゆでたまご+金属臭? いやいやむしろマッチを擦ったようなにおいにも感じる。
ここの熱いお湯にはぺとつきのようなものは無く、きりっとしてすっきり。
しかしとにかく混んでいたので湯口に近づくこともままならなかった。
何人かの先客が髪を洗うために湯船から上がったところを見計らって、ようやく湯口の前に来る。
でもそれもつかの間、また洗い終わった別の人が入ってくるので遠慮して遠ざかる。
お湯が熱かったので上がる時にはほかほかだった。
外に出ると、公衆浴場の左手に区営うなぎ温泉お休み処と書かれた四阿があって簡単な椅子が並べられていた。
そのお休み処の周囲ももくもくと上がる湯煙に包まれている。