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◆◇レンタルキャンピングカーで北海道◇◆
北海道キャンプ旅行記

15.前代未聞の豪雨と雷鳴に追われて






 新千歳から登別までは車で約1時間程度。
 走り出した時は激しいとは言うもののまあ普通の雨だったのだが、高速に乗ってすぐにとんでもないことになった。
 バケツをひっくり返したようなという表現があるが、例えて言うならもう風呂の底が抜けたような。
 なんじゃこりゃーと目が丸くなるほどの激しい雨。前が見えない。
 風呂の底じゃなくて天の底が抜けたんだ。
 雨自体もとんでもなく激しいが、その激しい雨で車内の湿度が急速に上がりいきなりフロントガラスが曇り始めた。

 パパは慌ててデフロスターのスイッチを探した。
 あれ? あれ? あれ?
 自分の車じゃないからどこにスイッチがあるのかわからない。
 高速道路上なのでスピードも出ている。止まるわけにもいかない。
 しかしまったく前が見えないほど曇っている。
 慌ててハンカチを出して内側から拭いたが、拭いても拭いても拭いた後から一瞬にして曇っていく。本当に何にも見えない。
 前の車のライトが光っているだけ輪郭は無し。何がどこにあるやら。
 どどどどうしよう~。

 とにかく一番近いパーキングエリアに入ろう。このままじゃ危なすぎる!!
 ぎゃーーーー。






 なんとかパーキングエリアを見つけて、なんとか左に寄って、なんとか停車した。
 マジで怖かった。

 落ち着いて探せばすぐにデフロスターは見つかった。
 まさか走り出していきなり前が見えなくなるとは思わなかった。
 豪雨怖い。本当に怖い。

 やっとガラスの曇りも消えて前が見えるようになった。
 滝のように降っていた雨も小降りになってきた。
 いや、雨が小降りになったのではなく、土砂降り地点を車が過ぎたからなのか。
 しかし今度は雨に変わっ暗い空の一角が真昼のように明るく光る。間髪入れずに轟音が鳴り響く。思わず両手で耳を塞ぎたくなるほどの雷鳴だった。

 パパはスピードを落とさない。
 また雨が激しくなってきた。
 もうやだ。怖いよ。雷がじゃなくて豪雨と雷鳴の中、高速道路をつっぱしることが。
 雷は遠ざかったと思うとまた新たな雷鳴が前方から轟いた。
 走っても走っても抜き去ることはできなかった。
 次から次へと新たな積乱雲が前方を塞ぎ稲妻が夜空を裂いた。
 まるっきり終末が来る映画の一場面みたいだ。
 これでもかこれでもかと雨と雷は続いた。
 ピシっと嫌な音を立てて稲妻が地表まで走った。耳をつんざく轟音。





 猛スピードで高速を走る車は何度も何度も新たな荒ぶる雷雲の下を潜りながらようやく登別に着いた。
 高速を降りると夜の闇の中にぬっと棍棒をつかんだ赤鬼の像がようこそ登別温泉への文字の上に立っていた。
 登別は降っていなかった。
 雷の音もいつの間にか絶えていた。

 ところでこの雷雨がとんでもないレベルだと知ったのは翌朝。
 朝の北海道のローカルニュースで前代未聞だとキャスターが言っていた。

6-16登別温泉か登別カルルス温泉かへ続く


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