お腹いっぱいになるまで食べて、暗くなってきた頃もう一度温泉に入りに行くと、たまたま
豊平峡温泉の専務にいろいろと面白い話を伺うことができた。
まず日帰り温泉として違和感のあるこの建物は、もともと豊平峡ダムのダム工事の際に工事作業員が寝泊まりするための簡易宿泊所だったのだそうだ。
このあたり一帯は支笏洞爺国立公園内に位置し、国立公園であるが故に多くの制約がある。
その一つとして豊平峡温泉のあるここは宿泊施設も温泉施設も一切新設することができないという。専務曰く「ライバルがいない。どれほど良い温泉が溢れていても、大手資本を始め他の業者が入ることがまったくできない状況」にあるそうだ。
しかし今あるこの豊平峡温泉も、ダム工事のために既にあった建物を使うことで認可されており、もしこれが先に取り壊されてしまっていたらもう新たな商業施設は建設不可だった。だからこそここは日帰り温泉とも一般の宿泊施設ともどこか違ういっぷう変わった合宿所のごとき間取りの建築になっている。
そして日帰り温泉としての営業は何とかできるようになったが、宿泊は認可されないのでキャンプ場しか作ることができなかったとのこと。
すると私たちが泊まる豊平峡温泉のキャンプ場というのは、まさに豊平峡温泉に泊まる唯一の方法ということになる。
面白いなぁ。