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北海道キャンプ旅行記

17.豊平峡温泉の悩み











 お腹いっぱいになるまで食べて、暗くなってきた頃もう一度温泉に入りに行くと、たまたま豊平峡温泉の専務にいろいろと面白い話を伺うことができた。
 まず日帰り温泉として違和感のあるこの建物は、もともと豊平峡ダムのダム工事の際に工事作業員が寝泊まりするための簡易宿泊所だったのだそうだ。
 このあたり一帯は支笏洞爺国立公園内に位置し、国立公園であるが故に多くの制約がある。
 その一つとして豊平峡温泉のあるここは宿泊施設も温泉施設も一切新設することができないという。専務曰く「ライバルがいない。どれほど良い温泉が溢れていても、大手資本を始め他の業者が入ることがまったくできない状況」にあるそうだ。
 しかし今あるこの豊平峡温泉も、ダム工事のために既にあった建物を使うことで認可されており、もしこれが先に取り壊されてしまっていたらもう新たな商業施設は建設不可だった。だからこそここは日帰り温泉とも一般の宿泊施設ともどこか違ういっぷう変わった合宿所のごとき間取りの建築になっている。
 そして日帰り温泉としての営業は何とかできるようになったが、宿泊は認可されないのでキャンプ場しか作ることができなかったとのこと。
 すると私たちが泊まる豊平峡温泉のキャンプ場というのは、まさに豊平峡温泉に泊まる唯一の方法ということになる。
 面白いなぁ。





 お湯についてもいろいろ聞かせてくれた。
 とにかくこの専務は温泉が好き。豊平峡の温泉に絶対的な自信を持っている。そしてぜひ多くの人に豊平峡を知ってほしいと思っている。
 豊平峡温泉は源泉を二本持っているが、一本だけで湯量は有り余って捨てているぐらいなので第二源泉は止めてしまったとか。なんせ一日あたりドラム缶6千本以上湧出しているというからその凄さもわかる。
 ここのお湯の恵まれているところは湯量の他にも温度があり、手前の定山渓あたりは70度以上もあるのでどうしても加水しないと入れないが、豊平峡は北海道で薄めず加熱せずそのまま使えるベストな51度。これを内湯と露天風呂で温度を変えて使用しており、特に露天風呂は熱い湯を下から、ぬるめたいときは水車から落として温度を下げる。でもねぇ、水車を使うと水を加えずに温度は下げられるけど空気に触れるから源泉の鮮度が落ちるんだよねぇと腕を組んで唸っている。

 一方、悩みもある。
 とにかく析出物が多い。削っても削っても成長してくる。浴室の床もさることながらパイプも詰まるので管理が大変。
 受付カウンターの前のテーブル席に黄色い石の塊のようなオブジェが置いてある。
 「豊平峡温泉の湯花です」と説明がついているが、その塊が一年物の析出物。たったの1年でこんなに大きな塊になるまで成長する。
 「温泉は生き物なので日によって成分が変わったりして層ができる」と専務は教えてくれたが、それであのような深い鱗状のぎざぎざになるのだから興味深い。





5-18北海道口コミNo.1の実力温泉へ続く


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