◆◇レンタルキャンピングカーで北海道◇◆
北海道キャンプ旅行記

8.いつか物語で見たような

　しかし遠目にも木の周辺に驚くほどたくさんの観光客がいるのが見えた。
　最近は古くさくなってしまってあまりガイドブックにも載らなくなってきたのにこんなに人がいるんだと驚いたのもつかの間、駐車場に車を停めて降りるとその理由が分かった。
　この大勢の観光客、ほとんど日本人じゃあない。

　中国語・・・だと思う。大型観光バスで来てるんだよね。
　レンタカーで来てるっぽいカップルは顔立ちから韓国人だろうか。
　日本人すくなっ。

　日本人がもうあまり来なくなった観光地だけど、中国や韓国のガイドブックには載っているんだろうな。
　ゆるい丘の上から見下ろすパッチワークの畑や森は、もっと空が青くてもっと日がさんさんと照らしていたら全然違う印象なんだろうなと思った。
　それでも空も大地も東京で見るよりずっとずっと果てしなく広くて、物語に中に入って丘に立っているような胸の奥が広がっていくような気がした。
　深呼吸ひとつ。
　景色を心に刻んで。

　この辺りまで来ると、もう旭川の中心地まですぐだ。
　また国道に合流すると、道の右側に並行して走る富良野線の線路を可愛らしい一両編成の電車が走ってくるのが見えた。
　パパが喜ぶ。
　私とパパの興味の対象って違うなと可笑しくなる。