◆◇レンタルキャンピングカーで北海道◇◆
北海道キャンプ旅行記

6.パッチワークの丘の景色が見たい

　さて、そんな青い池を離れ、元の県道966号線こと十勝岳温泉美瑛線を直進し、周辺に建物が増えてきたと思ったら美瑛の中心地に近づいていた。
　別にどこにでもある住宅地のように見えるが、よく見るとほとんどの家に煙突が付いている。北海道では常識なのかもしれないけど、温暖な東京に住んでいると凄いと思う。これならサンタクロースが入ってこれるじゃないか。子供の頃、煙突もないのにどうやってサンタさんがプレゼントを届けてくれるのか不思議でしょうがなかったよ。

　富良野線の踏切の手前で左に曲がれば美瑛駅と道の駅びえいがあるという表示板を見て、道の駅にでも寄っていくのかなと思ったが、パパはそれには目もくれず線路を渡った。
　そして突き当りを右折し花人街道とも呼ばれる富良野国道に入ったら、左手にぜるぶの丘が見えてきた。

　美瑛と言えばパッチワークのように区画された色とりどりのお花畑が丘陵地に広がっている景色が有名だ。
　富良野と言えばラベンダー、美瑛と言えばカラフルなお花畑、それが町のイメージだ。
　正直、美瑛を通るのに美瑛らしいところを見ないなんて。
　パッチワークの景色を見ないで通り過ぎてしまうなんて。
　そう思ったけど、パパは意に介さない。「前も見たでしょ」の一言でおしまい。

　それならそれなら見たことない方ならいい？
　美瑛は何回も来てお花畑は見たけれど、昔から有名なセブンスターの木とかマイルドセブンの丘とかケンとメリーの木とか行ったこと無いんだけど。
　どうせ旭川の方向に向かうんなら、どれか経由する道から行ってもそんなに遠回りにならないんじゃない？

　「・・・わかった」
　と、いきなりUターン。それもぜるぶの丘の駐車場を利用して。
　ああっ、そうくるとわかっていたらせめてぜるぶの丘の駐車場から見えるお花畑を撮影したのに。あまりにも急だったのでカメラを構える間もなく。あーあーあーと惜しむ声を出している間にぜるぶの丘は後方に消えてしまった。