◆◇レンタルキャンピングカーで北海道◇◆
北海道キャンプ旅行記
駐車場自体は入口も含めて未舗装の簡易なもので水たまりがあちこちにあり、逆にこれから綺麗にするのか工事の人たちが仕事をしていた。
車から降りて人ごみにびっくりして、パパは今更ながら「青い池って何?」と聞いてきた。
「んー、青い池って言うのは以前から一部では知られていた景勝地で、こう、池というか沼が青い中にトドワラみたいな枯れ木が生えているような景色で、一躍有名になったのはMacの壁紙に使われたことかららしい。なんかね、Macだから海外の人も知ってるらしいよ、日本の絶景の一つとして」
「へえー、Macの!?」
パパ、権威に弱いタイプでしょ?
「でも何でそんなに凄い景色の場所が、青い池 なんてあまりにも平凡な名前が付いてるんだ?」
知らんがな。
でも私もそう思う。かっこいい名前を付ける前にそのまんま呼ばれていた名前が広まっちゃったのかな。
なお、青い池は天然の池ではなく人工だ。
というと、えって思うかもしれないが、景色を作るためにそれも最近になって作られた池ではなく、昭和63年の十勝岳噴火の際に火山泥流を止めるために作られたえん堤、つまり小さなダムに、自然に水が溜まりできた池ということだ。
色が青いのはアルミニウム粒子を含むためだと言われているが、これも解明されたわけではない。
ちなみにアルミニウムが青いわけではなく、アルミニウムが混ざることにより生成されたコロイド粒子が太陽光を反射する際に波長の短い青の光が届くと言うしくみ・・・これは稀にある真っ青な温泉の色を説明されるときも使われる話かな。
まあうんちくはさておき、青い池までは駐車場から数分歩く。
砂利道は途切れてすぐにぬかるんだ池の横に出る。木の手すりが作られている。
青い池は木立がまばらになると見えてきて、狭い遊歩道は立ち止まって写真を撮る人でいっぱいだった。
雨は止んでいたが空が曇っているのが本当に残念だ。
もし太陽がさんさんと照っていたらこの池はどんな色を見せてくれたんだろう。
でも今のスモーキーな池も神秘的な様相を帯びてそれはそれで綺麗だった。
青と言っても青ではなく、絵の具で言えば青に緑を混ぜてさらに白を入れた色。
青緑とか、翡翠色とか、水浅葱とか。
この色、子供のころ、いっちばん好きだったんだ。絵の具を混ぜているだけで幸せだった。
その青い池の中に枯れ木がいくつも刺さっていて、そう、生えているのではなく刺さっている感じ。
刺さった木々が青い水面に反射して上下対称の景観を作る。
ああ、やっぱり晴れた日にもう一度見てみたい。
来たがっていたカナは喜び、愛用のカメラを提げたレナはあちこち角度を変えて撮影し、何故かパパまでスマホを取り出して撮った画像をその場で待ち受け画面にした。
わざわざ寄った甲斐があったかも。
それにしてもあまりの人気スポットぶりにびっくりした。
この先ガイドブックの表紙を飾るまで加熱するか見ものな気もする。