◆◇レンタルキャンピングカーで北海道◇◆
北海道キャンプ旅行記
16.たいやき工房のたい焼き
たい焼き屋はしばらく歩いた右手にあった。
向かいには浄土真宗大谷派の大きな建物が建っている場所だ。
やはりここもそれほど大きな店構えでは無く、小ぢんまりとした二階建て。その一階で製造・販売している。たい焼き屋の幟が無かったら、何だかクリーニング店のような外装だ。
中に入るとカウンターの中でたい焼きを焼いているお姉さんが顔を上げた。
ミシン目のチケットが残り一枚になっているスイーツめぐり券を出すと、すぐにたい焼きを二辺が開いた紙袋に入れて渡してくれた。
広くない店内にベンチがあったので、早速そこで食べる。
食べている間にも二人ほどお客さんがやってきてたい焼きを買っていたので、駅から離れていても人気のようだ。
少し小さめだが皮がさっくさく。粒あんは甘すぎない。
十勝は乳製品も有名だが、小豆もまた特産。
あつあつのたい焼きはとても美味しくてあっという間に食べ終わってしまった。
たい焼き屋を出たところで電話が掛かってきた。
取り損ねたのでこちらから掛けなおす。相手はパパだ。
「今どこにいるの? 合流しよう」
「えーとね・・・」辺りを見回す。「東1南7だよ」。
どうも帯広の街の作りは碁盤の目のようになっていて、ブロックごとに東西南北の数字が当てはめられているようだ。
パパは車で移動中で、さっきまでキャンピングカーの電源修理に必要な部品を手に入れるためカー専門の店に寄っていたらしい。
私は街の作りが碁盤の目ならば南北の数字で現在地が判ると思ったのだが、パパはとりあえず駐車場を探すため駅に向かってしまった。
JR帯広駅は東西で言えば西の2から3、南北で言えば南の11から12のエリアに位置する。
電話をしながら大通りを渡った私は、車の往来の激しいその通りがちょうど東西を分ける0通りに当たることに気付いた。
カナがのどが渇いたと言い出した。駅に向かって元来た道を移動しながらコンビニを探すとしよう。
そして西二条通りに戻って見つけたコンビニで買い物を終えて店を出たところでまたパパから連絡が入った。
「駅前の長崎屋にいるから」
駅前に長崎屋なんてあったっけか? 見当たらなかった気がするのできっと駅の反対側だな。
さっきパパが移動中に南にいると言っていたから、そんなことなら駅のこちら側で拾ってくれた方が効率が良かったのに。