◆◇レンタルキャンピングカーで北海道◇◆
北海道キャンプ旅行記
1.一度は全部諦めた
この北海道旅行、最初の予定はね、2日間前倒しだったのよ。
まあ私は専業主婦だから優先すべき予定は無かったけれど、パパの仕事、高一のカナ・中二のレナの絶対に登校しなければならない日と部活の合宿などを勘案して、さらにマイレージで飛行機の座席が取りにくかったりレンタルキャンピングカーの空きが既に埋まっていたりしたお盆時期トップシーズンを避けて・・・それでもう他に残っていないぎりぎりの隙間を縫ってプランニングしたものの、いや、ね、それでもカナの部活で大事な試合を一つ諦めた、それで何とか日程を固めた・・・はずだった。
「えっ、この日、ダメだよ、行かれないよ、旅行2日目と3日目、大きな試合があって絶対に抜けられない」
突然レナが言い出したのは既に飛行機もキャンピングカーのレンタルも初日の宿も予約を終えた1週間後だった。
「この日程がダメだったなんて初めて聞いたよ」
「だって部活で言われたのも最近だもん。とにかく絶対にこの試合は出なきゃいけないの。だから行かれない。パパとママとカナと三人で行って。私は一人で留守番する」
一度は全部諦めたんだ。
レナ一人置いて行っても楽しくない。
それから考えた。いろいろ考えた。本当にいろいろと。
日程を二日後ろにずらして、出発日の飛行機を最終便にする。試合が終わったレナも一緒に行かれるように。
試合は天候次第で後ろに予備日が三日取ってある。
もし悪天候だった場合は最悪それでもさらに3日出発が遅れる。
この場合、レナ一人で遅れて飛行機に乗り、現地で合流してもらうことにしよう。
3日遅れることはまずないだろうけど、2日遅れまでは可能性がある。
マイルじゃなくて正規料金ならぎりぎりでも席は取れると思う。方向音痴のレナだけど、携帯でこちらがナビゲートしてやればいい。
幸いキャンピングカーの旅だから、合流が決まった日の夜は千歳空港の駐車場で夜明かししたっていい。
それにしたって四人全員で初日から杞憂なく旅ができればそれが一番。
だから当日まで東京の天候には冷や冷やさせられた。
突然発生した台風から来る湿った空気と異常なまでの高温が空模様を不安定にさせ、問題の二日間は天気予報も曇りと雨だったり、曇りだけどいつ何時雷雨が襲ってくるか判らないと気象予報士が不安を掻き立てた。
祈るような気持ちでスーツケースのパッキングを終わらせ、予約を確認し、スマホを充電した。
そして8月22日当日。
曇り空はぎりぎり保ち、「負けちゃった」と思ったより早い時刻にレナも帰宅し、そして私たちは出発した。
3年前のあの日のように---
幸福駅・・・この頁で使用した画像は全て今回の旅行ではなく、ついに旅行記を作ることのできなかった3年前(2010年)のもの