6.ゴルフ場の温泉
時間的にもまだ3時過ぎだし、今日はもう一箇所くらい温泉に入って行ってもいいかな。
榛名湖日記ファイナルの群馬最後の温泉はここにしよう。
白沢高原温泉 初穂の湯。
ここは前々からいろいろな方にとてもいいよと薦められていた。
ただ、榛名湖からは少し遠いため、なかなか行く機会がなかった。
月夜野まで来たついでなら寄れるかも。
沼田ICから近い道の駅に、「白沢」というところがある。ここには望郷の湯という日帰り温泉施設も有り、人気がある。
この望郷の湯の湯元が初穂の湯だ。初穂は望郷より、お湯の鮮度がよくお湯遣いも良いと評判の施設だ。
この初穂の湯は、初穂カントリークラブというゴルフ場が経営している。
だからゴルフシーズンの土日の昼間はゴルフ客専用で、入浴のみのお客さんは夜しか入れない。
冬は雪でゴルフはできないから、毎日朝から夜まで立ち寄り入浴できる。夜も夜で、なんと11時まで営業している。
ここでもちょっとだけ道に迷った。
曲がり角という角に赤地の目立つ看板があるので本来迷いようが無いのだが、何故か表示にしたがっているつもりが一周して元の道に戻ってしまった。
今日はなかなか温泉に辿り着けない日だ。
もう一周して何故入り口を見逃したか、ようやく判った。
ちょうど入り口のところの看板が、風向きの関係で雪が吹き付けて真っ白になっており、まったく見えなかったのだ。
温泉に立て続けに入れようとすると、カナはだいたい嫌がる。
どうやって車から降ろそう…とパパ。
ご飯を食べるからって言うしかないんじゃない?と私。
実際、のんびりしていたら十分夕食時間。ここは食事も評判が良い。
さあ、カナ、レナ、ご飯を食べるから車を降りてね。
広報社の群馬の温泉というガイドブックに二人分の入浴クーポンが付いていた。さらに小学生未満のお子様は無料だった(それは今月いっぱいで、3月からは幼児も200円かかるそうだ)。
家族四人、タダで入館。
元々ゴルフ場だから、設備は豪華だ。
半らせん状の階段を降りたところに浴室があり、カナとレナは面白がってずんずん降りてしまい、ふとそこに下がっている暖簾を見て躊躇した。
お風呂じゃなくてご飯だよね?
うーん、そのつもりではあるけど、まだ夕ご飯にはちょっと早いか。一風呂浴びたらちょうど良い時刻になるのだけど。
「嫌だ。お風呂に入りたくない。だって入ったばかりだよ」
だよねぇ。きっとそう言うと思った。
「まだ髪を洗ってないじゃない。髪の毛を洗って綺麗になったらご飯にしよう」
「…」
嫌がるカナはパパが引き受けた。
レナはママと女湯へ。
脱衣所はゴルフ用のロッカーの奥にあり、なかなか明るく清潔。ベビーベッドも備え付けてある。
絶えず脱衣所の床を、係員が念入りに掃除している。
月曜とはいえ、夕方だからかかなりお客さんが入っていた。
女湯はお風呂が三つ。
内訳は内湯がふたつ、露天風呂がひとつだ。
内湯は庭園を眺める浴室と、もう少し狭い圧注浴の浴槽がある浴室だ。その両方が脱衣所から別々の出口を通じて繋がっており、二つの内湯の間に露天風呂がある。
何が笑えたといって、ガイドブックに広い庭園風の露天風呂の写真が載っているかと思えば、それは実際はお風呂ではなく、庭園の池だった。内湯や露天風呂からこの池に鯉が泳いでいるのを見ることができる。
お湯はちょっと熱め。さっきの
三峰の湯と同じくらいのにゅるにゅる感があり、ゆで卵の臭いがする。三つのお風呂の中で、露天風呂が一番いい。臭いもここが一番強い。