榛名湖日記ファイナル1-1

1.早すぎた朝

　今朝は早かった。
　いつも旅行の出発は朝早いが、今朝は朝4時45分にはもう車を走らせていた。
　スキーシーズンの関越道は混む。
　それでも昔、「私をスキーに連れてって」が流行った時代に比較すれば、がらがらと言っても良いが。
　当時は猫も杓子も週末になると、各々の車の屋根に色とりどりのスキー板をくくりつけ、ユーミンの「恋人はサンタクロース」や「ブリザード」をBGMに冬の関越道を急いでいた。
　そして誰もが見事なまでの渋滞にはまり、関越道は長く果てしない駐車場と化していた。
　そんな時代だった。

　その頃に比べれば数段マシだ。それでも沼田・水上方面のスキー場がリフトを動かし始める時間にあわせて、多くのスキーヤー・ボーダーが朝の関越道を走る。
　嵐山PAで休憩したが、その前後から車が増え始めた。
　もうちょっと遅く出ていたら、渋滞にはまっていたかもしれない。

　ところが早く出れば早いなりに悩みもある。
　早すぎて行くところが無いのだ。
　スキー場へ行くわけではないから、どこかで時間をつぶすとしたら立ち寄り湯か子供向け遊び場スポット。冬の朝だから幼児連れでアウトドアな場所はきつい。温泉もテーマパークもだいたい10時オープンが相場だ。それまでどうしよう。

　あわてて群馬県及び近隣で9時前からやっている温泉を探してみた。
　もちろんいざとなれば高崎天神の湯が24時間営業だ。

・こだま温泉 ファミリープラザ(埼玉県児玉町)　朝7時から。
　…本庄児玉ICはちょうど目の前だが、こんなところで降りたら渋滞を避けて早朝出た意味がなくなる。

・半出来温泉 登喜和荘(群馬県嬬恋村)　朝8時から。
　…興味ある温泉だし榛名湖からそれほど遠くは無いけど、今日のルートから外れている。

・赤城温泉 御宿総本家(群馬県宮城村)　朝8時から。
　…かなり行きたい温泉だし、方角的にも悪くないかも。

そのほかにルートからは外れるが草津温泉旅館美津木(7時から)、老神温泉ホテル山口屋、老神観光ホテル(両方8時から)、猿ヶ京温泉ホテル湖上閣(8時から)などが目を引いた。旅館系でも朝早くから入れてくれるところ、無いわけではないのね。

　赤城温泉総本家にターゲットを絞り、渋川・伊香保ICで降りる時に電話をかけてみた。本当はICを降りる前にかけたかったのだが、流石に朝7時前に電話をするのもはばかられたので。

　ところが残念ながら今日の立ち寄り湯は9時からとのこと。8時ではまだ準備ができていないという回答だった。
　勝手な推測だがたぶん金曜日の夜は宿泊者がいなかったのではないだろうか。
　朝の8時から入りに来る酔狂な立ち寄り客がいるとは思わず、準備中なのだと思われる。
　仕方ない。日帰り専門施設ではなく、旅館は往々にしてこういうことがあるもの。今回は縁が無かったということで諦めよう。

　今回6歳のカナは、家を出たときからもう寝なかった。
　4歳のレナだけが座席で丸くなって寝ていた。
　そのレナも、嵐山PAの休憩で目覚めてお腹が空いたと言い出したので、子供たち二人には買っておいたマフィンを食べさせた。
　大人の朝食までは用意していない。
　お昼は四万温泉の中島屋で美味しい蕎麦を食べることだけは決めていたため、朝は質素でも良いのだが…。