8.河原の湯
やっとカナを連れて入ると、もうレナはお風呂の中ですっかりいい気分。
シンプルな浴室は、4人も入れば一杯くらいの四角い浴槽にとうとうと透明なお湯が注がれている。カランが二つほどあるが、石鹸などは置いていない。
壁にはカジカガエルや石楠花の絵が書かれたタイルが張られ、カナはそれを見て機嫌を直した。
ざぶざぶとお湯を掛けると、熱い熱いと逃げる。だってあなたより小さなレナが平気で入っているのよ、そんなに熱いわけないじゃない。抱き上げて入れると、熱くないと笑顔になる。良かったね。
ここも飲泉できる。コップではなく枡が置いてある。飲んでみるとさっきの飲泉所より少し塩味が薄いような気がするが、やはりくせが無くて飲みやすい。臭いは薄い金気臭。
ここもしつこさは無いのにとても温まる。なんて
四万のお湯はいいんだろう。