1.榛名湖日記7 プロローグ
初日 2003年10月31日(金)
いやぁ、今日は長い一日だった。
今頃本当はキャンプ場のバンガローで火を囲んで夜空を見上げているはずだった。寒いなぁと震えながらキノコ鍋をつついているはずだった。
それがどうしたことか、すっかり予定が狂ってしまった。
…まあ、旅はハプニングが付き物だよねっ
坤六峠の名を聞いたのは、確か去年の群馬旅行中だった。いい匂いがするのでなかなかお気に入りの温泉、
リバートピア吉岡の露天風呂で同浴した地元の方が教えてくれたのだ。
かなりの穴場だが、2時間ぐらいのドライブ中、延々と紅葉のトンネルを通っているように見事なのよ、と。
毎月どこかしらふらふらと旅に出ているが、紅葉を見に行った記憶はあまりない。
子供たちが紅葉ドライブを楽しんでくれるとは思えないからだ。でもそろそろ連れて行ってもいいんじゃない? 秋の日本はとても綺麗なんだもの、今年こそは散り終えてしまう前に、錦の祭典を見たいじゃない。
9月中盤に遅い夏休みを取って
栗駒山や羽黒を巡る東北旅行に6日を費やしてしまったため、とりあえず一ヵ月後の10月中盤に最初は紅葉の群馬旅行を計画していた。
しかし10月に入って急にカナとレナの幼稚園の都合で遠足の日程がずれた。新しい遠足の予定日は10月30日木曜日、そして翌金曜日がお疲れ休みになる。すると続いて土日が休みで、さらに月曜日が振り替え休日だ。
これはもしかして、わざわざ幼稚園を休ませなくても4連休になるじゃない。キマリだね。
親子ともども体力を使い果たした芋掘り遠足の翌朝、5時に目覚まし、6時出発。
今回の予定は、初日の平日に当たる金曜日はキャンプ場のバンガロー、連休中になる二日目と三日目は榛名湖の定宿を手配した。
今度こそ今度こそ、紅葉に染まる露天風呂に入るんだ。