5.どこがいいかな川上温泉
五色沼から
川上温泉まではすぐだ。
川上温泉は国道459号線沿いに小さな旅館がぽつぽつ並ぶ鄙びた温泉地だ。絵になる鄙び具合ではない。もう単に寂れている感じ。ほとんどの宿は立ち寄り入浴一人500円といった看板を表に出していて、気軽に入れそうだ。
いちろう荘が目に付き、ここにしようかと思ったが、パパが昔入ったことがあるという。それじゃ、違うところにしよう。
パパは大学時代、地学愛好会の会長をしていて(それをもじって、このサイトは
地熱愛好会と名づけた)、毎年夏には裏磐梯にキャンプに来ていた。行き着けは桧原湖沿いの細野地区にあるママーキャンプ場で、立ち寄る温泉は大塩裏磐梯か川上だったそうだ。今でこそどの宿も立ち寄り入浴可の看板を掲げているが、当時は日帰りを受け入れてくれる宿は限られており、いちろう荘には間違いなく寄ったことがあると言う。
いちろう荘の隣に湯元の看板を掲げた宿がある。あっちにしてみようか。
でもここは川上温泉にしては中規模の旅館で駐車場が混雑していた。ちょうどスキー板をかついで帰ってきた客が何人か入り口に入ろうとしているところ。
ここもやめにしよう。
どこか決めてと言われて、さらに南下すると、もう小さな温泉街は終わってしまった。この先は謎の土湯沢温泉があるばかりだ。
引き返そう。
少し戻って左手にちょっと入ったところ。駐車場に車は多いみたいだけど、ここにしてみよう。
川上温泉宇奈月。