2.帰りたくないって本気かい?
当然今日は帰る日だと思っていたので、朝起きたら自分はさくさくとシュラフを丸めてケースに収納し、シュラフの下に敷いていた四枚のエアーマットを全て空気抜きして畳んだ。
なのにパパは言う。
「帰りたくないなぁ・・・もう一泊しちゃおうか」
「!!」
マジかい!?
だって。
パパの会社はいいよ(よくないか)。
カナとレナはどうするの?
まあレナの幼稚園は休ませてもいいけど。カナは小学生だよ。
「学校休ませるの?」
「休ませられない?」
・・・。
休ませられないことはないけどさぁ。まだ一年生だし、今日は別に特別な用事や授業もなかったはず・・・。
だけど入学してから既に4日も休ませてるんだよ!! 旅行だけで(こらこら)。
「帰りたくないなぁ。ここにいたいなぁ」
そりゃあその気持ちは判るけどさ(学校に電話をするのは私だ)。
・・・。
というわけで、もう一泊することにした。
中津川村キャンプ場は携帯電話の電波も通じない。明日になったら公衆電話から学校と幼稚園に電話しなきゃ。
何て言おう。
嘘はつけない。
子供に学校(幼稚園)で嘘をついてこいなんて教えられないもの。
あんまり楽しかったので(学校をサボって)もう一泊してしまいました、なんて言わなきゃいけないのか。とほほ。
実はだださんは一昨日の夜一泊だけで帰る予定だった。
そこを、今日も休みだと聞いたのをいいことに私と晶さんとで引き留めてしまった。
つまりだださんは一泊二日の予定が二泊三日になってしまったわけだ。
我が家はそれどころではない。二泊三日の予定が三泊四日だ。呆れられても仕方ない。
だださんと晶さんとばばちゃんさんは休暇が今日までしかないので泣く泣く帰ることにした。みんな口を揃えて「もっといたい」と言っていた。
紺碧七さんは明日も休暇なのだそうだ。
最後まで迷っていたが、流石に独身男性一人で子連れファミリーに連れ回される勇気は無かったらしく、ばばちゃんさんと帰ることにした。