8.呆れた長湯ぶり
子供たちが寝た後大人だけで飲んでいたら、あっという間に9時50分になってしまった。
中津川村キャンプ場は温泉付きキャンプ場だが、冷鉱泉なので湧かす必要があることから、入浴時間は限られている。
何時から入れるかはそのときの状況次第だが、ラストは夜10時、そして朝風呂は無しだ。
あと 10分しか無い。
慌てて晶さんと二人、タオルを取ってきた。
男湯は岩風呂、女湯は桧。
もう誰もおらず貸切だ。
もうボイラーを止められてしまったのか溜め湯になっているが、ほどよいぬるさで気持ちいい。鉄分が濃い赤茶色に緑も混じったような濁り湯だ。
あまり気持ちよくて晶さんとつもる話をしながら、ついつい長湯をしてしまった。
突然どんどんと脱衣所の外からドアを叩かれた。
「おーい、いい加減にしろよ」とパパだった。
出てみたら11時半だった。
「10時までって言われて一時間半も入っているやつがいるか」
きゃー、そんなに時間が経っていたとは。
すいません、キャンプ場のご主人と奥さん。
あんまりいいお湯だったんで、時間を忘れてしまいました。