空港からチューリヒに着いて、それから初めてのトラムに乗ってホテルにたどり着きました。さてさて…。


*** アルプスは今日もお天気 ***

第4話 チューリヒでガス入りショック


 問題の一つは、気温である。流石に山は下手すると氷点下。ポントレジーナあたりでは、街でも凍ると考えていたが、よもや9月1日のチューリヒがこ〜んなに寒いとは予測だにしなかったのだ。街を歩く人々の服装は、厚手のセーター、毛のオーバー、ご丁寧にマフラーと手袋の人までいる。東京で言ったら12月以降の服装だ。だが既に時遅し。セーターも、フリースのジャケットもスーツケースとともにラウターブルンネンの谷間まで運ばれてしまっている。フライラゲージうらめしや。

 さて、ホテル・リギホフの部屋は結構広かった。外観はいまいち趣味でなかったが、室内は家具は茶、リネンは白で統一してあってなかなかよい。バルコニーに面した窓が大きく、その向こうにいかにもヨーロッパの街中的な建物がいくつか見える。教会か時計塔らしきものも見える。となれば、早速お散歩だ。
 新しい街に着くと、すぐお散歩に行きたくなる。ホテルの周りなどぶらぶらして、素顔らしいものを見つけると嬉しくなる。
 このホテルは、中心地からも、いわゆる観光コースからも外れているようなので、周囲にはあまり華やいだ雰囲気はない。もちろんそれは、日曜日であることや夕刻であること、お天気が悪いせいもあるのだが、ガイドブックに載っているようなチューリヒとはちょっと違って、ごくごく普通の街角っぽい。ふらふらと歩いていると、もちろん閉まっているが、楽器屋さんや韓国料理屋さん(お、漢字だ)、雑貨屋さんなんかのショーウィンドーがある。お酒のビンが並んでいるお店もあって、その隣のガラスの向こうにはなにやらビールを醸造する機械みたいなものも。
 小道を入ったところには花いっぱいでとっても可愛らしいレストランもあった。日曜日なのが残念だ。
 そして、チューリヒの街の片鱗を見下ろすことのできるカーブもあった。もし街中に泊まっていたらあの辺だったかななんて思うような。

裏通りで見つけた可愛らしいレストラン

 暗くなってきたので、そろそろホテルに戻ることにする。母が薬を飲みたいというので、部屋の冷蔵庫を開ける。これまで言葉はなんとか英語が通じたが、冷蔵庫の中は完全な独語圏である。ミネラルウォーターが探したいのだが…、これでよいのかな?
 まず栓抜きがなかった。部屋中を探すが見つからない。よく欧米では部屋の壁についているからそれも考えて隅々まで探す。が、無い。仕方ないのでフロントに電話して持ってきてもらう。
 次にミネラルウォーターを出す。それらしいビンは2本あった。ダンナが確認して、うち1本にガス入りの字を認める。もう一本には何も書いていないから、こっちがノンガス・ミネラルウォーターだ、と信じて、母に飲ませたところ…

 みなさん、こちらではミネラルウォーターは基本的に炭酸ガス入りです。「ノン・ガズーズ」と明記してあるもの以外は信用しないようにしましょう。
 水と信じて一気に飲むと、結構くるものがあります。ちなみにラウターブルンネンのCOOPで、ガス抜きのミネラルウォーターをくれ、と、言ったところ、レジのおばさんは一ビン持ってきて、いきなり振り、泡が登ってこないのを確かめて売ってくれました。しかし、栓を開けてみると、それはやっぱりガス入り(微弱ではありましたが)でした。ちゃんちゃん。

次回こそは、チューリヒを出ます。ほんとです。

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