どうやらここはラフティングのスタート地点のようだった。
駐車場の一角にR・サンダー・ラフティングとペンキで書かれた鉄の枠のようなものがあって、そこからケーブルが伸びている。
「あれはきっとゴムボートを吊して川まで降ろすためのケーブルだよ」とパパが言った。
えっ、でも肝心のゴムボートは? それにラフティングのツアー客は? 今そこでボートを膨らませている人は単なる個人みたいだけど。
「まだ朝早いから渓谷に到着していないんだよ。
ケアンズから沢山のお客さんを乗せて、今頃バスがこっちへ向かっている途中だって」
パパは売店の一つぐらいあるかと思ったんだけどなぁ、と辺りを見回した。
私は売店なんてあるわけないと思っていたが、もうちょっとこう、公園みたいな場所があるんじゃないかと思っていたがやはり何もなかった。
するとそこへトラックが到着した。トラック本体にも後ろに引っ張っている台にもゴムボートが山と積まれている。ライジングサンダーのボートが到着したのだ。
ラフティング客の到着前に準備しなくてはならないため、見ているとスタッフの男性が数人降りてきて、せっせとボートをケーブルに吊し、下へ降ろし始めた。パドルやライフジャケットを運んでいる人もいる。
へえー、こんな風に準備するんだ。