ケアンズぷらす > 子連れ旅行記 ケアンズと森とビーチの休日(テキスト版) > 1ケアンズ再訪のその前に
初日 4月26日(木) もしくは出発前のあれこれ
本当はできれば毎年オーストラリアに行きたいね、なんて話をいつもしているのだけど、現実にはなかなか厳しい。 実際に去年は行かれなかった。おうちの一部をリフォームして予算はすっからかん。 今年も半分諦めていたけど、パパは諦めなかった。 まだカンタスのマイルは一人分ぐらいしか溜まっていないから使うつもりはない。 燃油サーチャージは呆れるほどに高い。 おまけに為替は1豪ドル約100円。 100円~!? 計算は楽だよ。17ドル50セントですと言われたら頭の中で1,750円ねと換算すればいいんだもの。でもこないだまで1ドル80円じゃなかったっけ。いやいや60円時代も知っている。 それって単純に3年ぐらい前と比較しても、全てのものが2割高くなったようなもので、今まで一泊8千円で泊まれたホテルが1万円になっちゃったようなもの。 さらに豪州はこのところ好景気で物価自体が上がっている。 過去は日本と同じ額を出せばそこそこリッチに過ごせたはずのオーストラリア、今じゃ日本と同じ額を出しても貧乏生活がいいところ。 それでも行くの? 何で行くの? そりゃやっぱりオーストラリアが好きだからでしょ。 そんなこんなで今年も計画を立てた。 パパとママ(私)にとっては六度目のオーストラリア。 9歳のカナと7歳のレナにとっては四度目のオーストラリア。 子連れで行った初めてのオーストラリアは四年前にポートダグラス、三年前にもう一度ポートダグラス、二年前にアサートンテーブルランドのミラミラにファームステイとミッションビーチのリゾートアパート・・・オーストラリアって言ってもケアンズばっかりじゃないって? 一応シドニーもエアーズロックもヘイマン島だって行ったことあるのよ。 まあその、ゴールドコーストもメルボルンもパースも行ったことないけどさ。 なのにリピートするのはケアンズばかり。 でもケアンズは本当に奥が深くて、特に町よりも周りを囲む大自然に惹かれている。 一昨年泊まったミッションビーチのウォンガリンガ・ビーチアパートメントは特にパパの大のお気に入りで、今年もまずはそこに泊まることを前提にプランニングを始めた。 ウォンガリンガは6泊すると7泊目は無料になる。 だからまずウォンガリンガを7泊は確定。 9泊11日の予定だからあと2泊。 アイランドリゾートに泊まりたいな。 どうしてかって言うと、ミッションビーチはこの季節、クラゲ除けのネットの中でしか泳げないから。できれば珊瑚礁の海でシュノーケルしたい。泊まっているアコモから歩いてシュノーケルしに行かれるようなビーチがあるところ。どこかそんな島は無いかな。 ケアンズ周辺の海を見てみよう。 このあたりはコーラルシー、珊瑚礁海と呼ばれ、世界最大の珊瑚礁グレートバリアリーフがあることで知られる。 1981年に世界遺産にも登録され、オーストラリア北東部の最大の観光資源にもなっている。 数多くの島があるが、宿泊施設のある島は意外と限られている。 北からリザード島・・・高すぎる上にお子さまお断り ダブルアイランド・・・論外、超高級貸切リゾート フィッツロイ島 グリーン島・・・高すぎる上に今更 ダンク島・・・高すぎる上に実際に日帰りで行ってみてあんまり気に入ってない ベダラ島・・・高すぎる上にお子さまお断り ヒンチンブルック島・・・沿岸から近すぎる上に珊瑚礁が無さそう オーフィアス島・・・高すぎる上にお子さまお断り マグネティック島以南ウィットサンデー諸島など・・・ケアンズから遠すぎる こうして見ると、フィッツロイ島しか残らない。 こんなに島があるのに選択肢が無い。 とりあえずフィッツロイ島について前向きに調べようと思ったら、なんとこの島は現在再開発中で宿泊施設がクローズしているのだった。 日帰り客は受け入れているが、泊まれるようになるのはいつのことかも判らない。 これじゃ駄目だ。 アイランドリゾートは諦めよう。 次に考えたのは森だった。 ケアンズの世界遺産と言えば、グレートバリアリーフの他にもう一つある。 それはクイーンズランド州の湿潤熱帯地域だ。 ケアンズ周辺の森は、世界で最も古い森なのだ。太古からその姿を変えていない貴重な自然遺産だ。 そんな熱帯雨林の中にある眺めの良い宿はどうだろう。 これまたちょうど気になっていた宿がある。 Mt.Quincan Crater Retreat。 ケアンズの西にアサートンテーブルランドという高原地帯がある。 Mt.Quincan Crater Retreatは愛用しているテーブルランドの無料冊子Discoverの目立つところに毎回広告を載せていて、その写真がまたそそるのだ。 カップルの立つバルコニーからは手つかずの森を見下ろし、ウッディな家具と眺めの良い大きなバスタブがある。 何だか凄く素敵。 絶対こんなところに泊まってみたい。 もうここしかないと思いこんで公式サイトを調べてみれば・・・retreat for adults onlyの一文。 ががーん。 ここはお子さまお断りアコモだった。 二度目のショックに目の前真っ暗。 今度こそ今度こそここしかないと思ったのに。 Mt.Quincan Crater Retreatではお子さま連れやグループ客のために少し離れた川沿いにあるRivers Edge Rainforest Retreatというアコモを紹介している。 しかしとにかく森を見下ろすというロケーションに惚れ込んでいた私は森の中にあるコテージでは満足できなかった。 仕方なく再びテーブルランド近郊のアコモを紹介する現地のサイトなどを見て回る。 そのうちに何となく判ってきた。 テーブルランドのアコモの中にはクラシカルな雰囲気で売っているところと、眺めの良いツリーハウス系で売っているところとある。 だからもう何年もMt.Quincanにばかり目がいっていて気がつかなかったが、同じ様なパターンの木の上のハウスは他にもいくつかあるようだ。これらのお約束は樹上のバルコニーに加えて、ジャクージ設備のある眺めの良い大きなバスと薪をくべる本物の暖炉。 Mt.Quincanの次に目に付いたのはここだった。 Rose Gums Wilderness Retreat。 ローズガムズ。 Mt.Quincan以上に周辺の森が深そうだ。 どんなところか評判を知りたいと思い、検索エンジンに日本語で「ローズガム」と入れても出てくるのは薔薇味のガムの評判ばかり。一ヶ所オセアニアのアコモを仲介する日本の代理店のサイトが引っかかったが、そこには「上記のロッジは世界的な著名人も多く利用される限られた部屋数の小規模で静かな雰囲気を重要視します。従ってお子様同伴を拒否される場合がありますので予めご了承ください。」という注意書きが。 またですか? いやいや、なんの。 ローズガムズの公式サイトにはChildren are very welcome.とある。 ほら、お子さま大歓迎だってよ。 オプションの貸し出しにも子供用の高い椅子だとか子供用のバックパックだとか書いてあるし、何よりお風呂場の写真、うちの娘たちぐらいの年頃の子どもたちがにこにこと入っているものを飾ってある。 これでお子さま拒否はありえないだろう。 そもそも子連れで宿泊するとき一番気を遣うのは、子供が走り回ったり大きな声を出したりすること。 狭い高層ホテルなんかだと気が気じゃない。 こういう森の中の一軒家タイプのコテージこそ、子供連れ歓迎であってほしい。 よし。ここだ、今度こそここしかない。 「・・・高いな」とパパ。 ツリーハウスの高さじゃなくて宿泊料金のこと。 2ベッドルームの1泊分ルームチャージが305ドル。 でもケアンズ市内のそこそこいいホテルに泊まるよりは安いんじゃないか? いやまあ、ケアンズ市内のホテルに泊まろうとは思わないけど。 「とにかく空きがあるか聞いてみれば?」 「・・・判った」 メールフォームで問い合わせを送ると、数日後に返事が来た。 日本からのお客さんを歓迎するといった言葉が書いてある。2泊するなら90ドル割り引いて1泊あたり260ドルにするとも書いてある。 「ねぇ予約していい?」 「いいんじゃない」 パパのあまり気乗りがしなそうな返事が気になったが、とにかく予約したいという返信を返した。 気に入ったのは私だけだったのかなとその後もずっと心配だったが、いざ出発する頃には何だかパパの方が期待が膨らんでいたようだ。 「できるだけ早くローズガムズに着いてゆっくりしたいよな。ここ、凄く雰囲気が良さそうじゃない。楽しみだなぁ」 そ、そうか・・・そりゃ良かった。 みんなで気に入るのが一番だからね。 「で、場所はどこなの?」と聞かれて地図を開いた。 アサートン高原の南の方。ユンガブラとマランダの中間地点から東へ入ったところのようだ。 テーブルランドにはクレーターレイクス国立公園というのがあって、クレーターレイクス、すなわち火山湖が二つある。 大きい方がバリン湖で、湖周辺に生息する生物を探しながらクルーズできる遊覧船とちょっとした軽食やデボンシャーティーを楽しめるレイクバリンティーハウスがある。 小さい方はイーチャム湖。プラットフォームやボートランプがあって気軽に泳いだり釣りをしたりできるようになっている。 どちらも一昨年の旅行でミラミラに泊まったときに訪問した。 バリン湖は残念ながら曇りから雨の天気。大して離れていないのにイーチャム湖は青空だった。 その小さいイーチャム湖をラウンドする道路を途中から東南に逸れるラッセルロードに入り、さらにラッセルロードからランドロードという道に入るようになっている。 ラッセルロードまではそこそこ詳しい地図なら載っている。しかしランドロードはどこにも記載されていない。唯一頼りのDiscoverには載っているが、これは無料冊子Discoverにローズガムズが広告を載せているから特別に記載されていると見るべきだ。 いったいどういう処なんだろう。 地図に無いと言うことは、まず道が未舗装である可能性大だ。 車で行かれないような凄いところだったらどうしよう。 たぶんこのあたりだろう・・・と手持ちの地図を辿ると、どうもランドロードとおぼしき場所はウールーヌーラン国立公園との境目に近いクレーターレイクス国立公園に一般の土地がくさび形にくい込むようになっている場所らしい。 つまり国立公園を指定する際にそれ以前から開墾されていた土地やそこに至る道路だけが国立公園外として除外されるわけだから、そこはもし指定前から道路が無かったとしたら国立公園になっていた場所だっていうことだ。そしてその道の突き当たりに建っているということは、ローズガムズから見える景色はほぼ360度近く熱帯雨林の国立公園かもしれない。 これは期待できそう。 「で、食事はどうなっているの?」 「キッチンが付いているから自炊だよ。えーと、初日の分の朝食hamperが付いてきて、土曜日の夜は希望すればタイ料理が食べられるみたい」と私。 「朝食ハンパーって何?」 「さあ・・・? 直訳すると朝食バスケットってことらしいけど」 怪訝に思ったパパは翌日職場で英語に堪能な部下に聞いてみた。 「このfull country breakfast hamperって何だと思う?」 部下曰く、「朝ご飯を詰めたバスケットみたいなものじゃないですか?」 「ふーむ」 私たちはそのまま腕に下げてピクニックに行かれるようなものを、朝になると宿の人が「モーニーン」とか言いながら持ってきてくれるのを想像した。 それが結構な勘違いだったことは実際にローズガムズに足を運んでから判った。 ついでにローズガムズがもし満室だったり条件が合わなくて泊まれなかった場合に備えて、私たちが他にも検討してみた眺めの良いツリーハウス系アコモをいくつか挙げてみる。 マランダのFur 'n' Feathers。 アサートンのBlue Gum。 トルガのAllawah Retreat。 イーチャム湖近くのCrater Lakes Rainforest Cottagesなどなど。 ブルーガムなどケアンズ近郊では珍しく温水プールなんかもあって違う意味で面白いかもしれない。 さてもうひとつの宿泊先、ミッションビーチのウォンガリンガ・ビーチアパートメントについても紹介しておこう。 ミッションビーチというのはケアンズからおおよそ2時間ほど車で南に走ったところにあるリゾート地だ。 うん、リゾートって言っても大手資本で統一された高級リゾートとかではなくて、気さくで親しみやすい田舎町みたいな感じだ。 ミッションビーチ、ウォンガリングビーチ、サウスミッションビーチがそれぞれクリーク(小川)で区切られながらもおよそ14キロもの金色の砂浜となって続いてる。 まあ金色というのがひとつミソで、珊瑚のかけらによる真っ白な砂浜ではない。 ミッションビーチには大型ホテルや高層の建物は無く、ほとんどがコンドミニアムスタイルのアパート、コテージ、バックパッカー宿、キャラバンパークなどだ。 一番大きなホテルがサウスミッションビーチの最南端に建つザ・ホライズンだと思うが、いわゆる高級リゾートホテルと呼べるのはそのくらいかもしれない。 ミッションビーチの名は知らなくとも、これからケアンズに行こうと思っている人ならパロネラパークやタリー川ラフティングやダンク島の名前は聞いたことがあると思う。 ミッションビーチはケアンズよりずっとパロネラパークに近いところにあり、パロネラパークのもうちょっと南、直線距離で測るなら30~40キロぐらいしか離れていない。 タリー川ラフティングの町タリーは、ミッションビーチの最寄りの町であり、私たちの泊まるウォンガリングビーチからは車で20分ぐらいの距離だ。但しラフティングを行うのはタリー渓谷で、渓谷まではタリーの町からさらに30分ほど山道を行かなくてはならないし、ラフティングに行くツアーバスはミッションビーチは通らないから、ラフティングのツアー客はミッションビーチがどんなところかは知ることができない。 ダンク島はミッションビーチのまさに沖合4.5キロに浮かぶ島だ。何しろサウスミッションビーチからは真っ正面にダンク島が見えるし、逆にダンク島から沿岸部を臨んでも見えるのはミッションビーチとその背後の山脈のはずだ。ミッションビーチエリアの中央部にあるウォンガリングビーチからは、ダンク島に停泊するヨットの帆まで目視できる。 ミッションビーチはそういう場所にある。 だからミッションビーチは意外に日本では知られていないけれど、実はケアンズの日帰り圏内にあるかなりの穴場リゾートだと言えると思う。 ちなみにケアンズから同じ様な距離・時間を北に向かって走れば、ポートダグラスを超えてディンツリー、ケープトリビュレーションまで行くことができる。あちらがリゾート建設ラッシュに燃えてこのところかなりメジャーになってきたことを考えると、ケアンズからあまりお金を掛けずにのんびりと海外らしいビーチに行きくつろぎたいと思ったら、ここが最後の穴場である可能性も否定できない。 私たちの泊まるウォンガリンガ・ビーチアパートメントは、三つのビーチのほぼ中央、ウォンガリングビーチの海沿いにある。 この海沿いというのがポイントで、これらビーチで海の側に建っているアコモは非常に数が少ないのだ。 ほとんどは海から道路を一本挟んだ向かいに建っている。 だから海沿いのウォンガリンガだからこそ、バルコニーからプライベートビューさながら海を見ることができるし、自分の部屋の庭のような感覚でビーチに出ることができる。 但し、海一望とはいかない。水平線ととバルコニーとを椰子や他の木々が隔てている。 これらは防風林の役割を果たしているのではないかと思う。 このあたりを時折巨大なサイクロンが襲うのだ。 たまたま去年は私たちは渡豪するとこができなかったけれど、去年の3月にも観測史上最大級のサイクロンがこの地を直撃している。 その凄まじさたるや、やれパロネラパークが壊滅したらしいとか、イニスフェイルのワニ園からワニが逃げ出したらしいとか、アサートンの農作物が全滅したらしいとか、ちょうど日本では王貞治率いる王ジャパンチームがワールドベースボールクラシックの第一回世界王者に輝いたと沸いていた頃、そんなニュースを切れ切れに聞いた。 「去年のサイクロンから、あなた達の折り紙のスワンとボックスを守ったわ」 ウォンガリンガに予約のメールを入れたところ、管理人のロラリーから来た返信だ。 折り鶴と折り紙の重ね箱は私が折ってウォンガリンガに置いてきたものだ。 サイクロンの被害の大きさを感じると共に、彼女がちゃんと私たちのことを覚えていてくれたことが嬉しかった。 ウォンガリンガは子どもたちも大好き。 目の前のビーチはもちろん、素敵なプールもあるし、部屋のベランダに長椅子型のブランコがついている。ブランコのある部屋に初めて泊まったカナとレナは毎日揺らして遊んでいた。 だから彼女たちにとってウォンガリンガはお部屋のブランコとプールのあるおうち。 アコモの話ばかりしていたが、泊まる場所を決めるよりずいぶん前にエアだけは手配していた。 毎回同じだが、成田発ケアンズ行きのカンタス直行便エコノミークラス。 一昨年、某旅行社を通じてカンタスに予約を入れたら最後尾になってしまった。 これがもう最悪で、シートはリクライニングできない、食事のサービスはビリになる、おまけに空腹に耐えて辛抱していれば私のちょうど前で希望していたメニューは終わってしまって食べたいものも食べられなかった。 はっきり言って、早々に予約を入れたにも関わらず同じ料金を払ってこのサービスの差は許し難い。 (パパは大げさだと言うが) そこで今回は座席にも我が儘を言ってみた。 黙っていたら適当な席を割り当てられるところ、一席でも前の方にしてくれと。 おかげさまでエコノミーの中では前から五列目が割り当てられた。 これならいくら何でも食事がラストになることはないだろう。 もちろんキッズミールも忘れずに頼んでおいた。 ところでオーストラリアに入国するにはビザがいる。 カンタスに直接チケットの予約をすると、サービスで観光ビザを手配してくれる。 電子ビザETAS(イータス)は、それ自体は無料だが取得に掛かる手数料が必要な仕組みになっていて、これをカンタスがサービスしてくれるのだ。 やり方は簡単。 エアチケットが発券されたという連絡が来たときに、向こうからお取りしましょうかと聞いてくれたので「お願いします」と答えたら、パスポートの写真の頁を送って下さいとさらに言われて、カラーコピーして郵送した。 すると翌日また電話が掛かってきて、「お取りできました」 これでおしまい。 何か書類が送られてくるとか、番号が知らされるとか一切無し。 入国の際に係員がパスポートナンバーを照会すればビザが取れているかいないか判るらしい。 それはいいけど人間が手動で数字を入力しているわけだからたまにはミスもあるわよねぇ。 本当に取れているか自宅のオンラインネットで確認できるとかすればいいのに。 きっとこんな風に不安に思うのは私たちだけではあるまい。 [ETASに関して掲示板で2007/05/10にjun1106さんからこんなアドバイスも頂きましたので転載させていただきます。「カンタスに直接チケットの予約をすると、エアチケットが発券されたという連絡が来たときに、ETASもカンタスでとってくれる由、申し出があります。その時にお願いすると、パスポートの写真の頁を送ってくれと言われるので、コピーをとりFAXします。それでOKです。(我が家では郵送はしていません) ただし本当にとれているか心配なので、確認書を送ってくれとお願いすると、FAXで送ってくれます。 AMADEUS USA というところから、ETA APPROVED / VALID TO 29NOV2007 / ****NAME**** なる記述を含むFAXを送ってくれました。(昨年の場合) 我が家では、これをお守りとして空港まで持っていき、不測の事態に備えています。もちろん今までにトラブルはないのですが、何か証拠となるものがあると安心ですよね。」] [また、同様にjun1106さんから掲示板で2007/05/30に「なんとJetstarではETASはとってくれないのです。ビサに関しては大使館にお問い合わせ下さいと言われてしまいました。」という情報を頂きました] [ミミミさんから掲示板で2007/05/29にJALでの情報も頂きました。「JALは無料でETASを取ってくれます。チケット購入すると、控えと一緒にETASの申請用紙が郵送されてきて、そこに必要事項記入&パスポートのコピーを貼り付けてFAXすると、数日後に「取れました」とETASの控えがFAXされてきます。これは正規割引運賃でも特典航空券でも同じです。なので我が家はここ数年ETASにお金を払った事はありませんよ。よしかさんと同じく、前年のETAS有効期限内に翌年の旅行をした時、「期限がまだ残っていると思う」と伝えたら、あちらで調べて「いついつまで有効ですから取得の必要はないですね」とすぐに答えてくれました。」ということだそうです。] 最後に手配したのはレンタカー。 いつも悪税だ~と悩ましく思っているが空港のレンタカーオフィスから貸しだしてもらうと、空港税なるものがレンタカー使用料に上乗せになる。 普通はレンタカーを長期で借りれば割引が効いて安くなるところ、この上乗せ分は一日あたりでかかるので長期になればなるほど最終的な税負担額が大きくなる。 それでも空港から直接レンタカーに移動できる便利さには変えられず、我が家はいつも空港で借りている。 何しろケアンズ着の直行便ときたら普通の店もオフィスも開いていないような夜明け前に空港に着陸するのだから。 ケアンズ空港にあるレンタカーの営業所は、バジェット、エイビス、ハーツ、スリフティの4社。 今までハーツを2回、エイビスを1回使ったことがある。バジェットはこの中で一番レンタル料が高いので未経験だ。 未経験の会社はもうひとつある。 スリフティ。 レンタカーの手配はいつもパパの役目なので、どうしてスリフティを使ったことがないのか聞いてみると、「日本語で手配できない」「聞いたことがない会社だから何となく心配」という答えが返ってきた。 でもここ、一番安いのよ。 日本円が強くてそこそこリッチな旅をしていたときはエイビスでもハーツでも良かったけど、今の予算ではちょっときつすぎる。 「オーストラリアのローカルのレンタカー会社なのかな」とパパが言うので調べてみると、いやいやそんなことない、北米や欧州など一応世界的に展開しているレンタカー会社のようだ。新興勢力で、古参の版図にくい込むために料金を抑え攻勢している。 この際だ、初めてのスリフティにチャレンジしてみますか。 借りたクラスは三菱ランサークラス。 十日間で締めて516.13ドル。 あっそうそう、そんな感じでちょっと不安だったが、貸してくれた車も手続きも最終的に何も問題がなかった。 但し他のレンタカー会社と違って観光施設の割引券などはくれなかったけどそれも格安レンタカーらしくていいかも。 だいいち最近は有料観光施設にもほとんど近寄らないからこれで十分。 気が付くと普通の人なら十一日間の旅行記を書き終えても余るほどの文字量を費やしていながら、未だに空港にすら到着していない。 これは流石にまずいのでそろそろ旅の続きに話を戻そう。 今まで空港には早く着きすぎたきらいがあった。 大人だけなら良いけど子どもたちはすぐに飽きる。 成田空港第二ターミナルのサテライト3階には幼児向けの遊具やビデオなどが用意されたプレイルームがあるが、ここでの時間つぶしも30分から1時間が限界だ。 だから今回はいつもより遅めに家を出た。 レナが習い始めたばかりの英会話スクールを休みたくないと言うので、彼女の帰りを待ってすぐに出発。 というか、既にスーツケースを積み込んだ車をスクール前の道路に停めて、彼女が出てくるのを家族三人で待った。 ところがこんな日に限ってスクールが終わるのが遅れている。 カナは待ちきれないらしく、スクールの玄関を何度も入ったり出たりする。 そのあまりに落ち着きのない様子に、何だ今まで「またオーストラリア?」「別に行きたくない」なんて憎まれ口を叩いていたのは本心ではなくて、実はすごーく楽しみにしていたんだと親にも判った。 子供って本当に素直じゃないね。 ようやくレナが「シーユー」なんて挨拶を先生と交わしながら出てきた。 英会話の鞄ごとレナを車に積み込む。 予定時間を10分ほどオーバー。 夕刻の首都高速は少々流れが悪くて焦ったが、真っ赤に沈む夕日をバックガラスに受けながら走り6時半頃には成田の駐車場に着いた。 ここで車を預け、駐車場のマイクロバスで空港に向かう。 もうとっぷりと日は暮れて、日航ホテルのシルエットが黒々と聳えている。 空港の入り口でパスポートチェックがあるが、いつもここでドキリとする。もうじき海外へ行くんだ。トラブルとか何もないといいけれど。 ゴールデンウィークとはいえ一日半早い出発の上、この時間になると空港も空いている。 預ける荷物は特大スーツケースひとつと普通サイズスーツケースひとつの計ふたつ。 大きい方のスーツケースはケアンズで買った布製のものだ。 飛行機のチケットは電子チケットで、いわゆるデータだけ。電子メールで送られてきたものをプリントアウトして持参していて、これを見せれば空港でチェックインできるシステムになっている。 チェックインカウンターでプリントアウトとパスポートを見せてボーディングパスを受け取った。 スーツケースを預けると、自動的に重量が表示される。 えーと、ふたつ合わせて34.7キロ。 「実際のところ、何キロまで預けられるんですか?」 チェックインカウンターのお姉さんは「エコノミーは一人20キロまでですが成田空港のサービスとして5キロプラスしています」と教えてくれた。 うーん、すると一人25キロの四人分として、100キロまでOKなの? とにかく5キロは成田空港独自のサービス(?)だということは、帰りは25キロとは限らないわけだ。といっても四人分だから余裕かな。帰りの方が重くなるのは間違いないが、80キロもあったらスーツケースに入りきれないって。 次はセキュリティチェック。 実は2006年8月のロンドンでの飛行機爆破テロ未遂事件以来、液体物の手荷物持ち込みが厳しくなっている。 去年からUSA方面は口紅一本すら持ち込めないらしいと自分の掲示板でも話題になっていたが、つい一ヶ月前から他の航空会社でも同様の手続きをとらなくてはならないことになった。 具体的には液体、ジェル、クリーム状のもの、エアゾールなどは100ml以内の容器に個別に分けた上で、縦横の合計が40センチ以内のファスナーのついた透明な袋(ジップロックなど)に入れて、他の荷物とは分けて見せなくてはならない。 なお、透明な袋の携帯は一人あたりひとつまで。 私の場合は日焼け止め、口紅などの化粧品、使い捨てのコンタクトレンズなどを自宅からジップロックに入れて持ってきていた。 空港で袋ぐらい用意してあるかと軽く考えていたが、どうやらこれは各自で用意するのが基本らしく、きちんと準備をしてきて良かったと思った。 しかし口紅まで液体扱いなんだね。流石にボールペンのインクまでは文句を言わないんだろうか? とにかく持ってきたジップロックは他の手荷物同様すんなりと通過し、私たちは出国審査も終えて、プレイルームのあるサテライトに辿り着いた。 これでひと安心だ。 カナもレナもプレイルームのことは覚えていて、もうあそこで遊ぶのは嫌だと言いだした。 そりゃあそうだろう。 背丈ぐらいしかないプラスチックの滑り台とか、ワニの形をした木馬だとか、流石に小学校四年生にもなってやる気もないだろう。 「でもあそこには確かテレビゲームもあったよ」 「テレビゲーム?」 うちにはテレビゲームがないので、うちの子どもたちはテレビゲームがなんたるかを知らない。まあ知らなくていいものなんだけど。 「DSの大きいやつみたいなのよ」 ポータブルゲーム機のニンテンドーDSだって去年の9月までは買わなかった。 買ったおかげで今はすっかりDSに支配されてしまって、今回の旅行にも持参する羽目になったが。 この時間、プレイルームに残っているのはオーストラリア行きの便を待つ家族連ればかりだった。 シーズンオフには国際色豊かなここも、ゴールデンウィークが近いので日本人しか見あたらない。 三世代の家族連れが多く、また子供は幼稚園児ぐらいの子どもたちばかりだった。まあそりゃそうだよね、学校はまだ平日だし。反省。 テレビゲーム機は入り口横に二台設置してあり、お友達と交替で使いましょうと注意書きが張ってある。 左側のゲーム機は男の子が使っていたので右側のゲーム機の前にカナとレナを座らせた。 空いている右のゲーム機にセットされているのはカーレースのゲームのようだ。 少しパパがいじってみて、やり方を二人に教えようとしていたが、パパも子どもたちもテレビゲーム機なんて扱い馴れていないのでどのキーを押せば上手く動くものやらさっぱり判らないらしい。 そのうちに左のゲーム機も空いたのでそちらに移動した。左はカエルの冒険ゲームのようで、カーレースよりは判りやすかったようだ。しばらく二人で遊んでいた。そのうちに別の男の子が来て興味深げに隣からのぞいていたので、ちょっと二人をこづいて三人で遊ばせた。 午後8時55分、いよいよ搭乗案内が入ったのでプレイルームを出てゲートに移動する。 空港に着いたとき軽く食事を食べさせたけど、カナもレナも普段ならそろそろベッドに入る時刻だ。 「眠いよ」とレナ。 うん、あともう少し。 搭乗して座席に着いたら眠れるから。 8時ちょうど。 搭乗が開始される。 座席について手荷物を上に上げて、いよいよオーストラリアへの旅が始まる・・・。 ほぼ定刻通りに成田発ケアンズ行きQF60便は滑走路を離れた。 重力が掛かって斜めに浮くと、やがて窓から成田市街地の灯りが見えた。 旋回して海へ。 海岸線のラインに並ぶ灯りを最後に、後は暗闇。 ケアンズ着は現地時間で早朝5時55分の予定。 およそ7時間半の空の旅。 安定飛行に入るとすぐに映画のプログラムをチェックする。 機内の楽しみと言えば映画と機内食ぐらいだから。 ケアンズ行きの便は・・・ミス・ポッターとナイトミュージアム。 ミス・ポッターは地味そうだけどナイトミュージアムは面白そうだな。行きはひとつしか見られないからどっちを上映するんだろう。 配られる子供用アメニティキットは今年も一昨年と同じThe Wigglesのグッズだった。オーストラリアでは人気のコメディーグループらしいが残念ながらうちの子どもたちはこれを知らない。ちなみにそれ以前は二年続けてディズニーキャラクター、その前はウォレス&グルミットグッズだった。 頼んでおいたキッズ用の食事が運ばれてきたのは10時15分頃。 大人用の食事よりはずっと早いけれど、いつもの生活リズムからしたら遅すぎる。眠いのが半分、興奮して寝られないのが半分の子どもたちは見ただけで食べられないと言い出した。 食べられるものだけでもつまみなよと伝えたが、ほとんど口を付けなかった。無理はない。 こういうときはカンタス系列ローコストキャリアであるジェットスターのように、食事はオプションになっていると無駄が無くていいかもしれない。 大人用の食事はそれから15分ほどして運ばれてきた。 ふふふ、今回は座席を前の方にしただけあって早い早い。 後ろの方の座席の人が、「チキン? ビーフ?」なんて聞かれている頃にはもうすっかり満腹してお代わりのワインが飲めるほどだ。 チキンを選んだ。チキンの味はまあまあなんだけど付け合わせのポテトが酸っぱいのなんの。レモンの味付けなんだから仕方ないけど口をすぼめながら食べてしまった。 映画はミス・ポッターだった。 案の定地味な始まり方だった。 ピーターラビットの作者で知られるビアトリクス・ポッターの青春時代を描いた映画で、主人公のポッターが登場したときにはこんな老け込んだ人がヒロインなのかと思ったほどだ。 でもそれは彼女の垢抜け無さをあえて表現したもので、作中ではだんだん若さが見えてくる。 おや、このポッター役の女優は・・・はにかんだような独特の表情に見覚えがある。 レネー・ゼルウィガー。 ちょっと待て。一昨年のオーストラリア行きの機内で見た映画は「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月」、その前のオーストラリアからの帰路に見た映画は「シカゴ」・・・ドラマだのコメディーだのをまったく見ない私がそんな映画を見るのはオーストラリアの往復ぐらいで、どうして見る度に主人公がこの人なのかと可笑しくなってしまった。 ミス・ポッターのストーリーはありがちで特筆するものは無かったが、背景に広がるイギリスの湖水地方は綺麗だった。 私は湖水地方も、またポッターが買い取り、保存に務めたヒルトップの屋敷も訪ねたことがある。懐かしい景色だった。 消灯時間になって機内の灯りが消されると、私も眠ることにした。 何故か足を降ろしたままでは眠れない私は、狭い機内で寝るのはいつも苦労する。お行儀が悪いと知りつつも、テーブルを出してその上に乗せてみたり、前列のシートバックについているポケットにかかとを突っ込んでみたり・・・。 椅子の上で足も持ち上げて丸くなって寝ていると、ぎりぎり体はすっぽりはまるのだけど、流石に寝返りをうつ余裕は残されていない。体が寝返りをうとうとする度に目を覚ますことになり、結局1~2時間ごとに目を覚ましていたような気がする。 夜中に目覚めたとき、パパがヘッドホンをつけているのが見えた。 何だろうと思ったら、映画が上映されていた。ナイトミュージアムだ。 知らなかった。二本目の映画は消灯後に時間をおいてこっそり上映されるものだったのね。今まで行きは一本しか流さないのだとばかり思っていた。 ナイトミュージアムは見たいけど、今は眠らなくちゃ。 「パパは寝ないの?」 「どうせ眠れないから」 そりゃお気の毒に。 お休み。 「今何時?」 「5時過ぎ。あと30分ぐらいで着陸態勢に入るよ」 げげっ、寝過ぎたか。 はい、とパパがバナナを一本渡してきた。 バナナ? 「ほら、機内食メニューにあったじゃん、フライト中に新鮮なフルーツをお持ちしますって。機内の灯りもつける前にCAがバナナ手に歩いてきたよ。ほとんど誰も受け取らなかったけど、あなたのために一本受け取っておきました」 「そりゃありがとう」 パパはバナナが大嫌いなのだ。 着陸態勢に入る前にトイレに行っておこう。 コンタクトレンズをはめるために。 それから席に戻って日焼け止めをぬる。飛行機を降りたときからそこはもうケアンズの日差しだから。 やがて窓の外にまだ夜明け前のケアンズが見えてきた。 幹線道路にだけ光のラインが流れていて、何もないところは海さながら真っ暗だ。 機内放送が現地の天候は晴れと伝える。 なんて珍しい。 晴れ一家の私たちだけど、何故かいつも到着時のケアンズ空港はモーニングシャワーなのに。 本当に晴れているの? 滑走路がぬれていない? この空港の天候がまるで今回の私たちの旅を象徴しているようだった。 二日目「ケアンズの朝」へ続く・・・ |