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2.ヒンチンブルック島一日ツアー




 




 ケアンズ周辺のほとんどの現地ツアーはアコモから送迎してくれる。近いエリアなら無料で離れたエリアからだと有料だったり、送迎を断って自力で行けばツアー料金を割り引いてくれるものもある。
 しかし珍しくこのヒンチンブルック島一日ツアーは送迎無しだった。
 いや、一応最寄りのカードウェルからなら送迎してくれるようだが、カードウェルに泊まっている人はそれほど多くないだろうから、レンタカーが無いとちょっと参加しにくいかもしれない。
 受付は朝の8時半。
 たぶんミッションビーチからカードウェルまでは1時間程度。
 予定より10分ほど出発が遅れてしまって、私たちは微妙に焦り気味。

ミッションビーチを出発して・・・突如として霧(朝もや?)に包まれる



 ヒンチンブルック島というのはカードウェルとルシンダの間の海に横たわる大きな島だ。
 ミッションビーチからもうっすらとその島影が見えている。
 島の面積は339km2。島全体がヒンチンブルックアイランド・ナショナルパークという国立公園に指定されていて、山と熱帯雨林とマングローブと入り江とビーチでできている。
 泊まりたい人には、ヒンチンブルックアイランド・ワイルダーネス・ロッジという宿泊施設と複数のキャンプ場がある。
 とにかく大陸からほとんど離れていない島で、地図を見るとまるで大きな川で分断された半島のようにも見える。
 ヒンチンブルック島に行く方法は二つ。
 カードウェルからヒンチンブルック・エクスプローラーというフェリーで行くか、カードウェルの南50キロほどの所にあるルシンダからヒンチンブルック・ワイルダーネス・サファリのフェリーで行くかだ。
 行きにカードウェルからのフェリーに乗って、島内をキャンプしながら歩いて、帰りにルシンダ行きのフェリーに乗る方法もある。
 私たちの申し込んだ1日ツアーは、カードウェルからヒンチンブルック島のラムゼイベイに寄り、ケープ・リチャーズを経由してまたカードウェルに帰るというもの。
 もうちょっと詳しく説明するとこんな感じだ。
 私たちはウォーキングをせずにビーチでのんびりするプランを立てていたので、とにかく船に乗っていれば良いということになる。
 ちなみにマクシラからケープ・リチャーズまでウォーキングする人は当日マリーナで申請すれば良い。

 まあこんなことを書いてみたが、そのときの私は行程をまったく知らず、全てパパ任せだった。帰ってきて整理してようやく自分がどういうルートを通っていたのか理解したところ。




 空はよく晴れていたが、ウォンガリングビーチからブルースハイウェイに出る手前で何だか前方の雲行きが怪しくなった。
 黒雲が湧いてきたというのではなく、薄靄のようなものに包まれるような感じ。
 あっと言う間に霧の中。
 何も見えないと焦ったのもつかの間、またあっと言う間に霧を抜ける。
 さっきまで雲一つ無かったのに不思議。
 見ると左手の山の麓にその朝霧が溜まっていた。あの中に突っ込んだらしい。
 後はまた晴れ空。

 「もう旅行の半分が過ぎちゃったんだよね」とパパ。
 11日の行程とすると、今日が6日目。
 「でも初日は日本からオーストラリアに移動しただけだから実質10日の5日目が始まったところだよ。今日が終わってようやく半分」と私。
 「そうだね」
 「そうだよ」



6-3港町カードウェルへ続く


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