挨拶をして少し話をすると、シドニーに住んだことがある人たちだということが判った。今回の旅行はシドニーのお友達を訪問する目的もあって、明日はここを離れ、シドニーに向かうという話だった。
ケアンズは初めてだけど、シドニー滞在中ヌーサやタスマニアには行ったことがあるそうだ。
「昨日、ヒンチンブルック島に行かれていたんですか?」
「ジュゴンは見たって言えば見たけどみたいな感じでしたけど、ウミガメは結構見えましたよ。あと私たちは知らなくて道具を持っていかなかったけど、シュノーケルしている人もいましたよ」
へー、シュノーケルセットを持っていこう。教えてもらって良かった。
「私たちはこう、探検みたいなイメージでいたけど、リゾートみたいなイメージで良かったみたい。お洒落なかっこうで参加している人が多かったですよ」
よし、私たちもリゾートスタイルで臨もう。
「途中でビーチ組とトレッキング組と別れるって聞いたんですけど」
「そうですね、トレッキングをする人は流石に動きやすい服装でしっかりした靴を履いてましたね。でも私たちが行った日も、メンバーのうち二人だけでした、トレッキングの方に行った人は」
歩くことにも興味があるけど、きっと子どもたちが歩いてくれないからうちはビーチ組だな。
「ヒンチンブルック島に行くんですか?」
「明日行こうと思ってます」
つい日向でしゃがんで話し込んでしまったが、彼女はふと気が付いて、あっちに移動しましょうとパラソルの下を指さした。
赤ちゃんはお父さんがプールで遊ばせていた。お姉ちゃんの方は一人で遊んでいる。
レナなど同い年なのだからお姉ちゃんの方と一緒に遊んでもいいのに、照れるのかずっと距離を置いていた。