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** ケアンズと森とビーチの休日 **

32.カモノハシ探し




 




 昼間から中空に浮かんでいた月が、モーテルの建物の上に白く光っている。
 もう夕暮れ時なので木々の影が長く長く伸びて庭を横切っている。
 willieさんはどんどん奥へ歩いていく。
 庭の一番先には川が流れていた。
 向こう岸まで5メートルぐらいだろうか。一面に蓮の葉が浮いている。まだ対岸の木には夕日があたっている。日没まではあとわずか。

 willieさんは川岸に立って水面を見ていた。
 ここから先はおしゃべりは厳禁。
 カモノハシは臆病なのだ。物音を立てると決して出てこない。
 willieさんの話によると、この辺りには数匹のカモノハシが間違いなく住んでいるらしい。後は私たちがこうして見ている間に姿を現してくれるかどうかに掛かっている。





 「・・・一匹いますね。でもどうかな・・・」
 見つけにくいらしい。
 まあ確かに。
 前のドキドキ夜行性動物探検ツアーの時と比較すると、水面まで近いと言う点では難易度が低いが、蓮の葉だらけという点では難易度が高い。
 もう何しろ水面は全て小さな蓮の葉で覆い尽くされている。ここに何か動物が混じっているとしても、仲間外れを探せとか間違いを探せというくらい見つけるのは難しい。
 前回はぷくぷくと上ってくる泡を頼りに見つけたが、これでは泡なんてまったく見えない。

willieさんと私たちは目を凝らして水面を見つめた





3-33駆け引きへ続く


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