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** ケアンズと森とビーチの休日 **

13.花の無い森の寄生植物たち




 




 「この森に足りないものがあります。何でしょうか?」
 「花」と即座に私。
 「そうです。この森には花がほとんどありません。そこがまたケアンズ周辺の熱帯雨林の評価が高いところでもあるんですが。どういうことかと言うと、この森はそれだけ古い森だということです。花をつける被子植物が地上に生まれる前の、貴重な裸子植物の森なのです」

 足下に寄生植物が落ちていることもある。
 また、寄生植物が元の木とほとんど一体化しているものや、元の木が枯れて寄生植物だけが空洞状態で残っていることもある。
 「植物の世界はこうじわじわと進行するので、動物の世界より嫌らしい面もありますね。ほら、この木は既に枯れている。こういう木には・・・」
 willieさんは幹をぐるりと回って探しているものを見つけた。
 「これです。寄生されていますね。宇宙人みたいですけど」
 古代遺跡に描かれた正体不明の文様みたいな不気味な形が盛り上がっていた。

幹の途中に見える葉はみんな寄生植物


落ちていた寄生植物


不気味な文様のような寄生植物
既に寄生された木は枯れている



 また、元の木が朽ちて消えてしまった後に蔓状に巻き付いていた寄生植物だけが電話のコードみたいにぐるぐると螺旋状に残っているものもあった。
 レナがどれ? と言うので、近寄って指さした。
 そのときにうっかりと近くにある別の蔓に指が触れてしまった。
 かすっただけだと思ったのにくっついてきて、無理に引き離したら指の薄皮がむけてしまった。
 こ、怖い。willieさんのサイトにスティンギングツリーという猛毒の植物がその辺に普通に生えていると載っていた。まさかこれじゃないだろうけど気を付けなくちゃ。

電話のコードのように巻いた植物


レナが見つけた「何か」
先生、これは何ですか? このときは液晶の画面が小さくてwillie先生にも何だか判りませんでした。



 遅れているとカナが戻ってきてレナの手を引いてくれた。
 仲直りすれば仲良しの姉妹。
 藪をかきわけて進むとコース出口近くの低い草の茂みにはちっちゃいスズメみたいなのがぴょんぴょん跳ねていた。
 「ハシナガヤブムシクイですよ」
 何羽もいるのに動きが素早くて全然写真に撮れない。
 他の鳥たちも同じだが、色が茶色っぽくて一ヶ所にじっとしていないから馴れていないと見つけるのも難しい。声だけはよく聞こえるんだけど。
 「こういう森にいるのは小柄で地味な鳥が多いです。しかも落ち着きがないタイプ」
 ・・・確かに。
 ふいに前方から緑色っぽい鳥が飛びだしてきた。
 鮮やかな緑ではなく地味めな緑。
 「今の、ネコドリでしたよ。見ました?」
 はい、しっかり見ました。

仲直り・・・カナがレナの手を引いてくれた





3-14フヨウチョウに逢いたいへ続く


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