ケアンズぷらすケアンズぷらす > 子連れ旅行記 ケアンズと森とビーチの休日 > 2-1ケアンズ空港の朝

** ケアンズと森とビーチの休日 **

1.ケアンズ空港の朝




 ケアンズ空港の印象は鳥の声。
 ガラスのドアを一歩出てあたりを見回せば、森にいる鳥、町にいる鳥、海にいる鳥、木立の葉の間や、街灯の上にとまって啼いている。
 成田からの直行便が着く時間、ちょうどオレンジ色の大きな太陽が地平線に近い雲の間から顔を出す。
 ケアンズ空港で迎える朝がいつも本当の旅のはじまり。






 二日目 4月27日(金)



 小学四年生のカナはしっかり目を覚まして自分の手荷物の入った小型スーツケースを引きながら歩いたが、二年生のレナはまだまともに目を覚ましていない。半分寝ぼけたままの彼女の手を引き、狭い機内から出て早足で入国審査の列に並ぶと、もう先に着いていたパパが誰かと話をしていた。
 相手もやはりカナぐらいの子供をつれた家族。
 知り合い?
 「俺の高校の友達。偶然ばったり会って」
 しかしこの日時にここにいるということは、やはり子供の小学校は休ませたのだろう。同類だ。
 「どこに泊まるの?」
 「ミッションビーチだよ」とパパ。
 「ミッションビーチ、ああ」と相手の奥さんが思い出すように言った。「去年行ったじゃない私たちも」
 「レンタカーで?」
 「そう。そっちも?」
 話しているときは思い出さず初めましてみたいな挨拶をしてしまったが、後でようやく思い出した。10年ぐらい前に私も一度会ったことがあった。あの頃はこちらも子供はおらず、あちらはまだ結婚もされていなかったはず。
 彼らはまた途中で会うかもしれませんねと言って荷物のターンテーブルのところで別れていった。
 旅の途中でタウンズヴィルからエアリービーチまで南下するのだそうだ。
 我が家よりよっぽど行動的だ。

入国審査を終えると、ツアーのプラカードが待ちかまえる



 今回も私たちは食料品を何も持ち込まなかった。
 申告すれば良いことは判っているが、面倒だし、全て現地で調達すればいいやと思っている。
 家族四人で一週間以上の自炊となると、スーパーマーケットで買った調味料もそれなりに使う。
 サラダ油や瓶入りパスタソースが帰りに重いのは判っているけど、どうせスーツケースに入れて転がすだけだし持ち帰った味は豪州の思い出の品として楽しませて貰う。
 医薬品だけは念のため持ち込む。
 風邪薬、解熱鎮痛剤、それに乗り物酔いの薬は必須。さらに医者に処方箋で出してもらった薬は成分と目的を薬剤師に英語で書いてもらってある。
 これらもあっさりと通過した。
 但し、毎度のことながら検疫係員につたない日本語で「アメ、オカシ、モッテナイ?」と確認されたが。

 ようやく税関も抜けて、入国ゲートをくぐった。
 早朝にも関わらず、日本から来る便にあわせて様々なツアー会社のプラカードを持った人が出てくる旅行者を待ちかまえている。
 ヘビースモーカーのパパは一刻も早く一服しないとと急いで外へ出た。
 確か法律で公共の建物の入り口からも7m離れないと吸っちゃいけないんだよね。
 とりあえず煙草と再会して安堵したパパはレンタカーの手配をするため再び建物の中に戻っていき、荷物番として私と子どもたちが残された。






 夜が明ける。
 見上げる空の広さと色の鮮やかさに、ここはケアンズなんだという実感が湧いてきた。
 子どもたちは自分たちのスーツケースを開けて持ってきた人形で遊んでいる。
 めいめいが機内持ち込みできるサイズの小型スーツケースを引いていて、その中にポケモンキッズというお菓子のおまけのポケモン人形が入れてある。
 別にちっちゃい塩ビの玩具くらい一個や二個持っていっても大したことじゃないと思うでしょ?
 問題は数よ。何個だと思う?
 なんと80個も持っていった。
 悪いけど母はアホじゃないかと思った。



2-2ケアンズ到着日の早朝に向かう先はへ続く


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