カナもレナもプレイルームのことは覚えていて、もうあそこで遊ぶのは嫌だと言いだした。
そりゃあそうだろう。
背丈ぐらいしかないプラスチックの滑り台とか、ワニの形をした木馬だとか、流石に小学校四年生にもなってやる気もないだろう。
「でもあそこには確かテレビゲームもあったよ」
「テレビゲーム?」
うちにはテレビゲームがないので、うちの子どもたちはテレビゲームがなんたるかを知らない。まあ知らなくていいものなんだけど。
「DSの大きいやつみたいなのよ」
ポータブルゲーム機の
ニンテンドーDSだって去年の9月までは買わなかった。
買ったおかげで今はすっかりDSに支配されてしまって、今回の旅行にも持参する羽目になったが。
この時間、プレイルームに残っているのはオーストラリア行きの便を待つ家族連ればかりだった。
シーズンオフには国際色豊かなここも、ゴールデンウィークが近いので日本人しか見あたらない。
三世代の家族連れが多く、また子供は幼稚園児ぐらいの子どもたちばかりだった。まあそりゃそうだよね、学校はまだ平日だし。反省。
テレビゲーム機は入り口横に二台設置してあり、お友達と交替で使いましょうと注意書きが張ってある。
左側のゲーム機は男の子が使っていたので右側のゲーム機の前にカナとレナを座らせた。
空いている右のゲーム機にセットされているのはカーレースのゲームのようだ。
少しパパがいじってみて、やり方を二人に教えようとしていたが、パパも子どもたちもテレビゲーム機なんて扱い馴れていないのでどのキーを押せば上手く動くものやらさっぱり判らないらしい。
そのうちに左のゲーム機も空いたのでそちらに移動した。左はカエルの冒険ゲームのようで、カーレースよりは判りやすかったようだ。しばらく二人で遊んでいた。そのうちに別の男の子が来て興味深げに隣からのぞいていたので、ちょっと二人をこづいて三人で遊ばせた。