6.サイクロン・ラリーと折り鶴
私たちの泊まるウォンガリンガ・ビーチアパートメントは、三つのビーチのほぼ中央、ウォンガリングビーチの海沿いにある。
この海沿いというのがポイントで、これらビーチで海の側に建っているアコモは非常に数が少ないのだ。
ほとんどは海から道路を一本挟んだ向かいに建っている。
だから海沿いのウォンガリンガだからこそ、バルコニーからプライベートビューさながら海を見ることができるし、自分の部屋の庭のような感覚でビーチに出ることができる。
但し、海一望とはいかない。水平線ととバルコニーとを椰子や他の木々が隔てている。
これらは防風林の役割を果たしているのではないかと思う。
このあたりを時折巨大なサイクロンが襲うのだ。
たまたま去年は私たちは渡豪するとこができなかったけれど、去年の3月にも観測史上最大級のサイクロンがこの地を直撃している。
その凄まじさたるや、やれ
パロネラパークが壊滅したらしいとか、
イニスフェイルのワニ園からワニが逃げ出したらしいとか、
アサートンの農作物が全滅したらしいとか、ちょうど日本では王貞治率いる王ジャパンチームがワールドベースボールクラシックの第一回世界王者に輝いたと沸いていた頃、そんなニュースを切れ切れに聞いた。