6.クロコダイルファームとワイナリー巡り
六日目 5月3日(火)
パパがオーストラリアで早起きなのは今に始まったことではない。
しかしカナまでが起きるとは・・・。
時間はまだ朝の6時前だ。
当然夜も明けてない。
「貝を拾いに行くからカナの着替えを出してよ」
そう言われて、寝ぼけ眼をこすりながらスーツケースを探った。
「着替えを渡してくれたら、また寝てていいからさ」
・・・。
パパとカナがいそいそとまだ暗いビーチに出ていってしまうと、とたんに部屋はシンとなる。そうは言っても、一度たたき起こされて今更眠れるかい。
ええい、時差ボケ親子め。
ぶつくさ呟きながら、こちらも起きた。
とは言っても寝起きの悪い母のこと。実際は起きあがるまで30分ぐらいを要した。
その間に日が昇った。
パパとカナはウォンガリングビーチで日の出を見物していたらしい。
後でカメラを見たら、雲が多い分ドラマチックな朝日が撮れていた。
オーストラリアの海はもう、晴れていても雲が出ていても絵になるのだ。
まったくもう、二人だけで楽しんじゃって・・・と後を追い、朝の砂浜で打ち上げられた貝など探していたら、
「レナはどうした?」とパパ。
「まだぐっすり眠っているんじゃない?」
「起きて泣いていたらどうする」
「まさかぁ、カナと違って寝かせておけばいつまでも寝ているし、昨日もカナと違ってなかなか寝付かなかったから、絶対まだ寝ているよ」
「こういうときに限って起きるんだよ、あいつは・・・」
そう言われてちょっと心配になってきた。
急いで部屋に戻ると・・・
ドアを開けたら
「ママ、おはよう」
泣きもせず、一人で起きてリビングのソファーに座っているレナがいた。
もう一度レナを連れてビーチに行き、みんなで少し散歩した。
この辺りのビーチは白い貝が多い。
大きさは小さめだが、南の島のシェルと聞いてイメージする、あのぎざぎざした白い貝殻が沢山落ちている。
陽は差しているのに沖の方にはスコールが来ているらしい。
黒雲の下は鉛筆で塗りつぶしたように黒々と雨の筋。
「あっ、カンガルーだ」
「えっ、どこっ?」
カナ以外の全員は、道路脇の茂みの中に立っていた大きなカンガルーを見つけた。
カナが慌てて窓の外を見たとき、既にカンガルーは森の中に消えていた。
イニスフェイルへ続くハイウェイへ向かう道、エル・アリッシュの手前のことだ。
「・・・見えなかった」と呟くカナ。
車の中ではもうちょっとよく窓の外を見ていた方がいいよ。
オーストラリアでは、野生動物がうろうろしていることは珍しくないんだから。
本日の予定は、ミッションビーチから車で一時間弱の街イニスフェイルに行き、
1.銀行で豪ドル建てのトラベラーズチェックを現金に換える
2.ジョンストン・リバー・クロコダイルファームで遊ぶ
3.おもちゃ屋さんに入り、カナとレナのおもちゃを探す・・・の三つ。
どこまでも続くサトウキビ畑の上には広い空と空一面に浮かぶ白い雲。
快適なドライブ。
クロコダイルファームは朝8時半から夕4時半までオープンしているが、フィーディングタイムは11時と3時の二回のみ。
一昨年ケアンズ北方の
ハートレーズ・クロコダイルアドベンチャーズに行って、ワニ園では餌やりの時間を逃すと何も面白くないということを学んだ。
どうせ行くなら11時の回を目指すべきだろう。
トロピカルな街イニスフェイルに着いたとき、既に時間は10時ちょっと前で少し焦りが出てきた。
まず銀行を探す。
車の中から通りを流しながら一軒見つけた。ウェストパックやANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)と違って何だか見たことがない名前の銀行だった。
そのせいか、6ドルの手数料を取られた。
いつも日本からは豪ドル建てのトラベラーズチェックを持ってきているため、日本でトラベラーズチェックを買うための手数料はかかっても、現地では手数料無しで額面通り替えてもらえるものだとばかり思っていた。
実は銀行によっては必ずしもそうで無いことを知って、ひとつ利口になったかも。
次はクロコダイルファームの場所。
リーフレットの裏に簡単な地図が載ってはいるのだが、思ったよりイニスフェイルの街が大きかったので自分のいる場所が判らなかったのだ。
「えーとね、ノースジョンストンリバー沿いにあるから、ノース、つまりイニスフェイルの街からケアンズ方面に走ればあるんじゃない?」
「・・・そのケアンズ方面ってどっちさ」
「えっ・・・どっちって・・・」
丘の上の白い聖堂まで登ってきた。
パパが通行人を見つけて「あの人に聞いてみよう、呼び止めて!!」
しかし呼び止めるはずの妻は車窓から聖堂を撮影するのに夢中。
仕方なくパパは車を飛び出しその人の後を追った。
「エクスキューズ・ミー!!」
・・・間に合わなかった。
人の良さそうなオージーのおじさんはパパの声に気づかず聖堂の中へ行ってしまった。
「・・・あーあ」
パパ思いっきりムッとしている。
「写真撮るの、後にしなさい」
はーい。
とりあえず無策のまま丘を下り、下に見えた川沿いまで降りてみた。
すると、いきなりあったではないか、クロコダイルファームはこちらの表示が。
とにかく川沿いまで降りてみれば良かったのだ。
何とかフィーディングタイムに間に合いそう?
ジョンストンリバー・クロコダイルファームは、たぶん
ハートレーズと同じような施設なのだろうと思っていた。
つまり、元々はワニ皮を(もしかしたらワニ肉も)生産するために作られたファームを一種のテーマパークに仕立て上げ、敷地内のラグーンをクルージングさせてワニの生態を見せたり、餌付けをショー仕立てにしてクロコダイル・アタックのための観客席を作ったりしてあるのだろうと。
実際どちらもクロコダイルファームとは何の関係も無いカンガルーやワラビーを放し飼いにしたり、カソワリーを飼ったりして、ミニ動物園らしいコーナーを設けてあるし。
しかしジョンストンリバーの方は、実はもっとコンセプトが適当な施設だった。
何しろフィーディングタイムというのも、ショーではなく本当に単なる餌の時間を見せ物にしていると、こんな風なのだ。
駐車場は結構広いが、建物の入り口は小さい。
本当にこの中にクロコダイルファームがあるのかな?という感じ。
車はちらほらとしか停まっていない。
もちろん空いているに越したことはないと中に入ることにした。
受付を過ぎると、適当に古びた鳥かごが並んでいて、その中にはレインボーロリキートをはじめとして色とりどりのインコやオウム。
パパはこのインコたち、その辺を飛んでいる野鳥を捕まえて檻に入れただけなんじゃない? と疑いの目。
ハートレーズでは有料だった子ワニとの記念撮影はこちらは無料だ。
入り口の奥にちょっとした人だかりがあると思ったら、もういきなり係員が子ワニとパイソン(大蛇)を客に抱かせている。
近づいたら、ほいっと子ワニが渡された。
唐突ー!!
落とさないようにパパが持って、カナとレナに触らせる。
危険の無いよう口先をセロテープでぐるぐる巻にされているので噛み付く心配は無い。
大きさは80センチぐらいか、乾いていてひんやりしていて、背中は固く腹はぐにぐにしている。
何でもかんでも
ハートレーズと比較してしまうのはいけないと思うが、あちらはお金を払わないと子ワニの写真も撮られてくれなかった。
記念撮影料を払って、初めて自由に撮ったり触ったりさせてもらえた。
こっちはもう好きなだけ触ってもいいらしい。
パパがさっさと返そうとしたので、待って、ママにも抱っこさせて。
パパはパイソンは御免だという顔をしていた。
でも係りのお兄さんは笑ってどさっとしましまの大蛇を彼の肩に巻き付けた。
うわぁ、嫌そうな顔。
でもカナとレナの手前、とりあえず引きつった笑顔で振り向く。
「パパ、蛇だぁ」
そういえば私も新婚旅行の時、シドニーの動物園で蛇を巻き付けられたことがある。重いと思った他は別に怖くも気持ちも悪く無かったが、そのときもパパは「信じられない」と言っていた。よほど苦手なんだろう。
蛇は動いているようにも見えないのだが、鱗を蠢動させてだらりとパパの首から腰へ、さらに足首まで降りてきた。
ひゃあ~、流石にあれは嫌だなぁ。
子ワニとパイソンのコーナーに集っていた観光客を引き連れて、クロコダイル・ダンディーばりのスタイルで身を固めた若いお姉さんが園内の案内を始めた。
これぞクロコダイル・レディー?
まだワニのフィーディングタイムまでは30分ある。ついていってみよう。
雲が切れて強い日差しがじりじり照りつける。
わさわさと植物が生い茂るファームは湿度も高くじめついている。
広い通路の両側には高く頑丈な金網で囲われたワニの檻がいくつも続いている。
お姉さんはひとつひとつ丁寧に、ワニの名前やサイズなどを教えてくれる。
ここで一番大きなワニは、全長5.2m、体重1,200キロのグレゴリーだというが、どのワニも巨大で言われなければ見分けがつかない。
彼女は一匹のワニの檻に、上から長い棒を差し込んで、ぽかりとワニを叩いた。
二、三回叩くと、ぴくりとも動かなかったワニがぱくりと口を開けた。
このワニには歯が無い。
おじいさんワニなのか、口の中は真っ平らの岩みたいだった。
さらに棒で口の中を叩くと、コーンと固いプラスチックを叩いたみたいな大きな音がして吃驚した。
ワニの口の中って、あんなに固いのか。
温度と湿度が高く、日陰が多いので、あちこちを蚊に刺されてしまった。
虫さされの薬をカバンに入れてきて良かった。
自分や子供たちの腕や足にそれを塗りながら先へ進んだ。
園の一番奥にカンガルーコーナーがあった。
お姉さんが観光客にカンガルー用の餌を配ってくれる。
この餌にも吃驚。
今までの動物園では、カンガルーの餌といえばヒマワリやカボチャの種が入ったようなミューズリ系か、日本でも見かける小さな円柱形に固めた動物の餌だったが、なんとここで渡されたのは、ただのパン。
さっき朝食に食べてきたような、本当にその辺で売っているパンだった。
・・・カンガルーって、パンが主食だったのか・・・。
知らなかったよ。
カナもレナもパンをひとつもらってカンガルーにあげはじめた。
まだ朝だというのにカンガルーの食べっぷりは悪い。
お腹いっぱいなのか、口元まで持っていっても食べるか食べないか。
レナが親子カンガルーを見つけた。
赤ちゃんはお腹の袋から出てきたばかりのようで、よろよろして立つのもおぼつかない。
歩こうとしてどさっと横倒しに倒れてしまった。
人間の赤ちゃんが歩く練習をしているみたいだ。
お母さんの方は袋の手入れに忙しい。
赤ちゃんが外に出ている間に綺麗にしなくてはいけないみたいで、しきりと袋の口をなめている。
よく見ると袋の中は結構なまなましいというか、グロテスク。
こんなもの、他で見る機会はないだろう。
レナは赤ちゃんにパンをあげたがったが、赤ちゃんはまだパンなど食べないのか見向きもしてくれなかった。
パンは大きかったので、あげきれないうちにタイムアウト。
お姉さんと他の観光客はみんな戻ってしまったので慌てて後を追った。
入り口まで戻ると、さっき子ワニがいた辺りに十数人のグループが居る。どうもまもなくスタートするフィーディングに合わせてツアーの一団が到着したようだ。
日本人の観光客が一組、その一組のための日本人ガイドが一人、その他スペインとノルウェーからのお客さんとそれぞれのガイド。
ウールーヌーラン・サファリ・ツアーのご一行らしい。
先ほどのファーム案内係のお姉さんに加えて、やはりクロコダイル・ダンディースタイルで決めたベテランガイドらしいおじさんの二人が、みんなを伴ってフィーディングを開始した。
もう一周、フィーディングに合わせて園内を回ってみようか。
驚いたことに、おじさんは平気で檻に中に入って凶暴なクロコダイルに鶏肉をやっている。
だ、大丈夫なの?
ひきつって見てしまう。
観客は檻の外でカメラを構えるが、血も滴る鶏がらに食いつくスピードは猛烈で、カメラのシャッターも追いつかない。
おじさんは笑いながらペンダントにしているワニの歯を見せ、さらに臑をまくって古傷を見せてくれた。
ワ、ワニに噛まれたあとなの?
まさかと思うけど観客が見えてる前で噛まれたことがあるんじゃないだろうな・・・。
うう、想像したくない。
一部の凶暴なワニは流石に檻の外から餌をやる。
それにしても檻の上から素手で鶏がらを垂らしてフィーディングするあたり、かなり怖い。
ワニは口を開けてとびつき、引きちぎるように餌を持っていく。
おじさんだけでなく、先ほどのお姉さんも餌をやっている。
毎日やっていて馴れているんだろうけど、命がけの仕事だっていう気がしないでもない。
さっき口を開けて歯のないところを見せてくれた老クロコダイルの所に来た。
歯が無いのにどうやって食べるのだろうと思ったが、がぶりと鶏に食いつき、顎だけで噛み砕いていた。
淡々と恐怖のフィーディングは続いていたが、カナとレナはもうワニはいいようだった。
ツアーの列を離れ、入り口のそばまで戻ると、右手に鳥小屋が見えた。
鳥小屋といっても小さいものではなく、広い敷地を金網で囲ってあるもの。
中には適当に小鳥から水鳥、エミューまでいるらしい。
柵の周りを歩いて、端まで来ると、あれ?
「クジャクだ・・・」
雌のクジャクが低い枝にとまっている。
柵の中ではない。
柵の外・・・。
なんで?
よく見ると、柵には大きな穴が開いていて、そこからクジャクは出てきたようだ。
何だかこの柵、あんまり意味がないような。
クジャクの雄は柵の中にいる。雌だけ勝手に出入りしているようだ。
柵の中を覗くと真っ青な首のカソワリーが近づいてきた。
流石にカソワリーは体が大きいので穴から外には出られない様子。
「カソワリーがいたよ」とカナとレナを呼ぶと、レナはいきなり手に持っていたカンガルー用のパンをちぎって柵の中に投げた。
すると、なんとカソワリーが寄ってきてパンを食べるではないか。
思わず笑っちゃった。
ここはカソワリーもパンが主食かい・・・。
カナもレナもミッションビーチでカソワリーには会っていないが、ここで思う存分カソワリーの餌付けをしてしまった。
お腹が空いていたのかカソワリーは、カンガルーよりよほどパンを食べてくれた。
再びカンガルーの所に戻って。
さっきのよろよろしていた赤ちゃんカンガルーはもうお母さんの袋に戻ったようだ。
もうお腹の中に収まるには成長しすぎているので、頭も足もしっぽも全部はみ出しているが。
カソワリーにやりすぎて、レナのパンはもう残り少なくなっていた。
まだ沢山残っている姉に向かって「パン、少しちょうだい」と言ったが、カナは自分の分が減るのが嫌で「うん」と言わない。カンガルーの分を取っておかなかった妹が悪いのだと思っている。
レナのパンはすぐに使い切ってしまい、べそをかきはじめた。
そこへ先ほどのウールーヌーラン・サファリのツアーがクロコダイル・フィーディングと鳥小屋の見学を終えてぞろぞろとカンガルーコーナーにやってきた。
「あそこに行って、パンをもらっておいで、一緒に行ってあげるから」と母は言った。
そしてレナの手を引いて、ツアーガイドのお兄さんにパンを分けてもらえないかと交渉する。
後から思えばこの人はファームの係員ではなくウールーヌーラン・ツアーのスペイン人相手のガイドだった。
ラテン系の濃い顔立ちのお兄さんは快くパンを分けてくれた。もしかしたらツアーガイドは、めいめい自分たちで餌のパンを調達して持参するのかもしれない。スーパーなどで売っているパンの袋そのままをぶら下げていたから。
あっと言う間にレナの手は、カンガルーにあげきれないほどのパンでいっぱいになった。
面白くないのはカナだ。
もう自分の手にはパンが残っていない。
妹に分けてあげることをケチったので、逆に今、後悔する羽目に。
思う存分餌やりできたので、入り口まで戻ることにした。
パパが面白いところを見つけたというのでみんなで覗きに行く。
煉瓦組みの温室のような小屋があった。
中には・・・
「うわぁ」
「クロコダイルの幼稚園みたいでしょ」とパパ。
浅いプールの中と簀の子の上にぎっしりと数十センチサイズのワニ、ワニ、ワニ。
もう、笑っちゃうほどワニがいる。
右側と左側と仕切られていて、それぞれ入っているワニのサイズが違う。
ワニの幼稚園と小学校というところ。
さっき外にワニの中学校もあったな。
むわっとする臭いは、衛生状態の悪い熱帯魚売場みたいな感じだった。
入り口の鳥小屋でオウムの鳥かごを覗いていたら、後ろから白髪のおじさんがやってきて、ピンク色のオウムにちょっかいを出した。
「チョッチョッチョッ」と言いながらカゴの中に指を入れる。
オウムのくちばしにつつかれてもなんのその。
よほど鳥が可愛いのかつつき返している。
他の鳥たちにも片っ端から何か声をかけ、最後に入り口に寝そべっていた大きな白犬にも話しかけた。
驚いたことに犬はごろりと仰向けになり、おじさんに腹をさすってもらっている。
どう見ても彼は、ファームの人ではなく観光客なのだが、もしかしたら動物の言葉が判る人なのかもしれないとちょっと思った。
イニスフェイルは今日も暑かった。
一昨日のように抜けるような青空とはいかないが、それでも十分日差しは強い。
街角に車を停めて、子供たちと約束したおもちゃ屋を探すことにした。
最初に見つけたのはCrazy Clarksという小さな店。
賑やかなディスカウントショップという感じで、店先にスーツケースや子供の水着など並べて大きな名札をべたべた貼ってある。
店の中もごちゃごちゃとしていて、日本で言ったらドンキホーテみたいな感じ。
通路も狭い。
おもちゃ売場もあったが、どれも安っぽく偽物っぽい感じがいただけない。
カナはあまりお気に召さなかったよう。
レナはそれでも気になるおもちゃがあったようだが、パパは「ここはやめよう」とさっさと出てしまった。
通りに出て途方に暮れる。
すぐ近くに商売敵があるとは思えないし、どこを探せばいいだろう。
道を歩いている老婦人に別のおもちゃ屋の場所を伺うことにした。
「・・・うちには小さい子供がいないから、私は判らないんだけど・・・」と言うと、そのご婦人は目の前の電気屋に入り、なんとそこの店員におもちゃ屋の場所を聞いてくれた。
「そこを曲がって、一ブロック先をもう一度曲がるとチープな店があるそうよ」
自分は知らなくても、わざわざ聞いてくれるなんて、オージーの親切が身にしみる。
お礼を言うくらいしかできないけど、自分も誰かに道を聞かれたら親切にしよう。
「オージーって優しいよな」とパパ。
うん、オージーは親切だ。
歩いて角を曲がり、疲れたとぶつぶつ子供たちをなだめたりすかしたりしていると、見つかったのは倉庫のように巨大な店舗だった。
The Warehouseとある。
おもちゃ屋というよりホームセンターみたいだ。
中も広い。
巨大な倉庫にラックを積み上げたような店内で、食料品や台所用品、書籍・文房具など何でも売っている。
ここは整然と商品を陳列してあり、おもちゃのコーナーもちゃんとあった。
カナとレナが目を留めたのはプラスチックのドールハウス。
値段も7ドル程度とお手頃。
二階建ての家は、畳んで持ち運べるようになっていて、豆粒みたいな家具と人形がついている。
家は何種類かあったが、二人がほしいといったのは「サマーハウス」と書かれた家だった。
サマーハウスにはバルコニーとプールがついている。このバルコニーが気になるらしい。
親としては、二人でそれぞれ違う家を買えばお互い楽しく遊べるだろうと思うのだが、子供の考えは違う。
違う家を買うのは喧嘩の元なのだ。
仕方ない・・・同じ家を二軒、お買いあげ。
この店は本当はゆっくり見て回りたい。面白そうな日用品が沢山売っているから。
でも街の苦手なパパはもうお疲れ。
子供たちを連れてお買い物に回る気は全くなし。
それどころか、もう面倒なので外食もしたくないと言う。これがミッションビーチあたりのオープンエアの店なら喜んで外食するのに、とにかく町中でレストランを探したり、すぐに騒ぐ子供を連れてテーブルにつくのはご免だと言わんばかり。
気持ちは判るけど・・・お腹も空いてきた。
パパはスーパーマーケットにも寄らないといっていたが、そこを何とかコールズの駐車場に車を停めてもらった。
昨日覗いたミッションビーチとウォンガリングビーチの食料品店にはあまり品数が無かった。
私はどうしてもトロピカルフルーツがいろいろ食べたかったのだ。
「フルーツと牛乳とオレンジジュースと・・・他に何か買うものある?」と私。
「フィレ肉とソーセージをお願い」
「あと、何かテイクアウトできるものがあったら買ってこようか。ランチのために」
「じゃあサンドイッチでもあったら。あとコーラも」
イニスフェイルのコールズは大きかった。
ポートダグラスのコールズなら、もう何がどこに陳列してあるか判っているが、馴れない店では商品一つ探すにも時間がかかる。
パパは私が一人でスーパーマーケットに入ると一時間は出てこないと思ってイライラしているに違いない。
急がなくちゃ。
まずはフルーツ。
沢山あると目移りしちゃう。
パパイヤ、メロン、洋梨・・・マンゴーがほしかったけど、やっぱり季節外れで無いのかな・・・あっ、洋梨の中に三つあるじゃない。
それからこれこれ、これがほしかったの、カスタード・アップル。後ろから来た恰幅の良い奥さんが、うにうにとカスタードアップルを触って、熟し加減をみていた。うーん、どのくらいが美味しいか私にはよく判らないから適当に買っておこう。
意外にもマンゴスチンも売っていた。
この辺りではマンゴスチンは栽培していても滅多に売っていないと聞いていたのでこれも二つほどカゴに入れる。それにしてもマンゴスチンは破格に高い。
ソーセージは量り売りのを適当に頼む。フィレ肉はパックされているのを。
こちらの肉は硬めで筋があるが、フィレを選べば柔らかい。
牛乳もすぐあったが、オレンジジュースとコーラが見つからない。
広い店内を二周もしてしまった。
諦めてレジまで来たら、レジのそばに両方とも売っていた。
すぐに食べられそうなサンドイッチやハンバーガーみたいなものは見つからなかった。
イニスフェイルを離れながら、流石に空腹は耐え難くなってきた。
パパは砂糖博物館のところにカフェがあったからそこで食べようと提案してくれた。
砂糖博物館というのは、イニスフェイルから7キロミッションビーチ方面へハイウェイを走ったモーリリアンという町にあるミュージアムだ。
ハイウェイ沿いに大きくSUGARと書かれた建物が建っているので覚えていたが、カフェには気づかなかった。
外から見たところ、博物館は暗くひと気がなかったので閉まっているのかと思ったが、それは外壁のガラスが黒っぽいからでちゃんとオープンしていた。
併設されたカフェはBadilaカフェと言う名で、僅かながらオープンエアの席もあるカジュアルなもの。
ミートパイとチキンカレーを注文した。
テーブルの上には
ケアンズや
アサートン高原の見所を描いたランチョンマット。
チキンカレーは皿に入って出てくるのでは無かった。
何故かテイクアウトでもないのにタッパーに入っている。
タッパーの蓋に汚い黒マジックの手書きでCHICKen Curry + Rice $6.50(大文字小文字も正確に書き写してみた)。
味は悪くなかったけど何となく笑ってしまった。
一刻も早くウォンガリンガに帰って、買ったばかりのおもちゃで遊びたいと子供たち。
でも待って。
今日は動物園、おもちゃ屋とあなたたちの希望を全面的に受け入れてきたんだから、今度は大人の番。
ワイナリーに寄るから付き合ってね。
ミッションビーチ方面の手前、シルクウッドでハイウェイをクーリマイン・ビーチの方角へ曲がる。
一昨日、ワイナリーの表示を見つけたところだ。
あの後、ミッションビーチにもパラダイス・エステイトというワイナリーがあることを知ったが、この道を通るならまずここに寄ってみよう。
「ところでこの辺って葡萄、取れるの?」
通る道通る道、バナナ、サトウキビ、たまにマンゴーとか植わっているけれど、葡萄なんか見た覚えがない。
葡萄ってもっと涼しくて雨が少ない南向きの丘の斜面とかに植わっているイメージがある。
この辺り、日当たりはいいけどオーストラリア有数の降水率を誇るし気温だって亜熱帯。なんか違うような気がする。
「まさかバナナのワインだったりしてね」
いや、これは冗談ではなかった。
ワイナリーは曲がってすぐだった。
Murdaring Point Winery ムーダリング・ポイント・ワイナリー。
よく刈り込まれた芝生と手入れの行き届いた庭園の中に平屋建てのワイナリーが建っていた。
Openと入り口にあったので恐る恐る入ってみる。
「ハロー」
広々と清潔な室内には綺麗にワインがディスプレイしてある。
奥にカウンターがあり、挨拶を聞きつけて女性が出てきた。
「こちらはどんなワインがあるんですか?」
「テイスティングしてみます?」
女性はグラスを二つ出してから、パパの方を見て「ドライバー?」
パパはそうそうと肯き、妻が味見するからと私を指さした。
ここまで来る日本人はほとんどいないと思うが、パウチで綴じられた日本語の説明書も用意してあった。
マンゴーで作られた「パナマゴールド」はミディアムタイプのみ。こってりとした味わい。
レモンアスペンで作られた「ミスティジェム」はすっきりした中にハーブのような独特の香り。ドライとスイートとある。
パッションフルーツで作られた「ピナクル」は意外に甘い。これもドライとスイートがある。
ダビッドソン・プラムで作られた「レッドエンペラー」は一番葡萄のワインに近い。フルーティな中に少し渋み。これもドライとスイートあり。
私がこれはなかなか美味しいと思ったのは、ライチで作られた「ロマンス」(ドライとスイートあり)と、パイナップル・マンゴー・パッションフルーツで作られた「トロピカルミスティーク」(ドライとスイートあり)だった。
思わず決めかねて二回目も飲んでしまった。
しかし、これだ!!と思ったのは最後のワイン。
マルベリーで作られた「ザ・ポイント・ポート」。
ポートワインなので甘めだが、これは本当に美味しい。思わずパパにもなめさせてしまった。
「うん、これはいい」とパパも納得。
一瓶お買いあげ。
しかし、ここは本当に気前よくテイスティングさせてくれた。
例えばドライかスイートかと聞かれて、どちらを味見させてほしいのか聞いているのだと思い「ドライ」と答えると、ドライから味見させてくれ、次はスイート。
つまり、どっちを飲むかではなく、どっちから飲むか? と聞いているのだったりする。
ほんの一口ずつでも、あまりにいろいろ飲ませてもらったので、すっかりいい気分になってしまった。
「他でもトロピカルワインを飲んだこと、ある?」と聞かれて、パパが「マリーバで」と答えると、
「ああ、
ゴールデン・ドロップね」と彼女はにっこり。
きっとライバルなんだろうな。
テイスティングをさせてもらった部屋の奥にワイナリーの建物がある。
庭から回って中を見学できるようになっている。
覗いてみると、大きなタンクと積み上げられたワインの箱が見えた。
庭には綺麗な蝶も飛んでいる。
ここは本当に整然としたワイナリーだった。
「どうせなら、ミッションビーチのワイナリーも行ってみよう」とパパが言った。
えっ、本当に?
子供たちはもう我慢してくれなさそうだったので、いったん部屋に戻り、大人だけで出かけることにした。
ミッションビーチとウォンガリングビーチを結ぶ唯一の道路、カソワリー・ドライブ沿いに、小さなショッピングセンターのような場所がある。
昨日、ここにフレッシュ・シーフードの看板を見つけて立ち寄ってみたのだが、シャッターが降りて店は閉まっていた。
今日は開いているかもしれないから、まずそこに寄って夕食の食材を仕入れることにしよう。
車を停めて近づいてみると、本当にそこは妙な店だった。
The Tinnie Shackと書かれた店はどう見てもガレージ。
外にはボートを並べて売っていて、中には釣り具。どこにシーフードが?
迷っていると店員のお姉さんが「何をお探し?」と声を掛けてくれた。
何だかボートと釣り具という男臭い店内には似つかわしくないような女の人だった。
「シーフードを」
「それならこっちよ」と店の奥に案内され、アイスクリーム売場のような大きな冷凍庫をぱかっと開けてくれる。
中には蟹、海老、烏賊、牡蠣?などがファスナーつきビニールに入れられて凍り付いていた。生ものは無いらしい。
パパは蟹と海老を買った。
店を出て、「あのシーフード、店の人が適当にその辺で釣ってきて売ってるみたいな面白い店だったね。急にお姉さんに声を掛けられてびっくりしちゃった」と言うと、パパは「可愛い声だったなぁ・・・」と上の空の返答。
ハァ?
思わずまじまじと顔を見ると、駄目だこりゃ、パパの目はすっかりハート型になっていた。
次にシーフード屋の隣のパン屋をのぞいてみた。
ミッションビーチに来る前から、ネットでここに美味しいパン屋があるらしいと知っていた。
でも先日スーパーで買ったパンがまだ残っているし・・・ショーケースの中に美味しそうなケーキも並んでいたので、チョコレートケーキとキャラメルがけのナッツタルトを一つずつ購入。
どうして二つかって。
子供たちが寝静まった後、こっそり大人だけで食べようという魂胆だったりする。
ミッションビーチのワイナリー、パラダイス・エステイトもこの近くにある。
カソワリー・ドライブからエル・アリッシュへ向かう道に突き当たって、左折、するとすぐ左手に看板が出ている。
さっき立ち寄ったムーダリング・ポイント・ワイナリーに比べると、ごちゃごちゃした印象の外観で、中はもっと狭くごちゃごちゃしていた。
入ると右手にショップとテイスティングのカウンター、左手には剥き出しでワインのタンクや機械が並んでいる。
カウンターには先客が一人居て、のんびりとテイスティング用のグラスを傾けていた。
恰幅の良い店員のお姉さんは、商売っけが無いのか「待ってて」も言わず、目の前のお客さんにだけ意識を集中している。
その間、仕方がないので棚に並んだワインを物色していた。
並んでいるのは、トロピカルレッド、トロピカルホワイト、レインフォレストレッド、レインフォレストホワイト、パラダイスゴールド・・・楽園リゾートらしい楽しげなネーミングと、熱帯魚やオウムを描いたカラフルなラベル。お土産にも良さそう。
5分以上待っただろうか。
ようやく先客のテイスティングが終わったようだ。
店のお姉さんに負けず劣らず恰幅の良いおじさんは、クリスマス・レッドというワインを買い求め、さらにつまみにチョコレートコーティングされたコーヒー豆まで買っていた。
そして嬉しそうにワイン瓶の入った臙脂の袋を下げて出ていこうとしたら・・・。
座席に自分のリュックが残ったままだった。
「おっと」
すぐに気づいて取りに戻ってきたが、おじさん、絶対飲み過ぎ。
カウンターにつくと、お姉さんがまずつまみの箱を出し、それからグラスを並べた。
先ほどのムーダリング・ポイント・ワイナリーや、去年寄った
ゴールデン・プライド・ワイナリーのワインがほとんど一種類のフルーツから醸造されたワインだとすると、このパラダイス・エステイトのワインはブレンドが特徴だ。
トロピカルホワイトはバナナ、ココナッツ、パイナップル、マンゴスチンのブレンド。甘いけど爽やか。これが一番気に入った。
トロピカルレッドはバナナ、レッドマンゴー、ドラゴンフルーツのブレンド、バニラオークで香り付けしてある。
レインフォレストホワイトはバナナ、ブッシュライム、マンゴー、柿のブレンド。
お姉さんは「ペンシモン、判る? KAKIよ」と言った。へえー、柿でワインを作るんだ。というか、柿がトロピカルフルーツかと聞かれると疑問だが。味は柿のせいかかなり渋い。
レインフォレストレッドはダビッドソン・プラム、ワイルドストロベリー、ブルーベリー、バナナのブレンド。フレンチオークで香り付け。レインフォレストシリーズは少し癖が強くて飲みにくい。
パラダイス・ゴールドはバナナワイン。これもフレンチオークで香り付けしてある。トロピカルホワイトについで飲みやすかった。
クリスマスレッドはお姉さんが「スイート」と言いながらついでくれた。本当に甘い・・・というかちょっと甘過ぎ。
結局トロピカルホワイトとパラダイスゴールドを一本ずつ買い求めた。
パパ曰く、「こっちのワイナリーはとにかく全種類味見させないと気が済まないんだな・・・」
ここで終わりかと思うと、まだまだ次から次へと出てくる。
おかげでほろ酔い気分になってしまった。
珍しい味がいろいろ楽しめて面白かったよ。
ようやく部屋に戻ると、もう四時半近かったので海に行くのは無理だと思った。
カナとレナは納得しない。
昨日、町から帰ったら海で波乗りすると約束していたからだ。
「海に行くのは無理だけど、プールならまだ大丈夫かも」と提案してみた。
「プールでいい」
これで三日連続ウォンガリンガのプールで遊ぶことになった。
子供たちって本当に泳ぐのが好き。
夕方のプールは今日もひと気がない。
見上げるといつの間にか空は雲一つない青空になっていた。
何だかミッションビーチはいつも晴れているような気がするけれど、本当は決してそんなことはない。
快晴の空の下、ここに着いたとき、パパはウェンディに「ここはいつも晴れてるの?」と思わず聞いたらしいけど、返事は「先週は雨だったわよ」だった。
私たちが、この地が実はオーストラリアでも最も降雨量の多いエリアだというのを実感するのはまだもうちょっと先のことだった。
このころはまだ、穏やかな天気が続いていた。
プールサイドのチェアーででくつろいでいると、その一角にあるウォンガリンガのオフィスルームからパパが出てくるのが見えた。
「これからの予定だけど・・・」
ミッションビーチ滞在中にどうしてもやりたかったことが二つあった。
ひとつは目の前に見えているダンク島に渡ること、もう一つはクロコダイル・スポッティングツアーに参加すること。
ミッションビーチから手軽にダンク島に渡るには二つの方法がある。
ここから目と鼻の先のウォンガリングビーチの外れから、ウォータータクシーに乗り、15分間。
又はミッションビーチの北にあるClump Pointの奥にあるクランプポイントJettyからフェリーで30分。
手軽なのはウォータータクシーだが、ウェンディが言うにはとにかく揺れると。
船酔い体質のパパが耐えられるとは思えない。
彼曰く、今朝も波にぐうらぐら揺れながらウォータータクシーがダンク島目指して進んでいくのを見たとか。
フェリーの方は通常ローレンス・カバナーM.V.Lawrence Kavanaghと、クイックキャットQuick
Catの二社が操業している。
ローレンス・カバナーの方は、ダンク島往復の他、ダンク島とベダラ島の両方に寄るツアーも催行しているし、クイックキャットの方はさらにアウターリーフに足を延ばすツアーも催行していた。
それらのリーフレットを見ていたら、むくむくとアウターリーフに行きたくなってきた。
何となくダンク島はミッションビーチとの距離からして少し沖へ出ないとシュノーケルとかできる感じじゃない。せっかくマイ・シュノーケルセットを持参した子供たちに海の中を見せるなら、アウターリーフのポンツーンの方がいいんじゃないだろうか。
しかし、クイックキャットに電話してウェンディが確認してくれたところによると、なんと今、クイックキャットは休止中だとか。
アウターリーフのポンツーンは波が荒くて使えない状態らしいし、ダンク島行きのフェリーも日帰り客は乗せていないらしい。
アウターリーフに行くならこれかしらね、と渡されたのはCalypsoダイブや、ミッションビーチ・ダイブ・チャーターズの本格的アウターリーフ・クルーズのちらしだった。
いや、そこまで真剣に行くつもりでは・・・。
しかしこのミッションビーチ・ダイブ・チャーターズのクルーズ船、名前が「MIKADO」って、意味判ってつけているのかしら。
ダンク島行きは部屋に戻って検討することにした。
クロコダイル・スポッティングはヒンチンブルック・エクスプローラー社によるナイトクルーズだ。
こちらは申し込むことにした。
一枚物のカラーちらしには、クロコダイル、ホワイトリップド・ツリーフロッグ、マングローブ、カワセミ、マッドクラブ、カソワリーなどの絵が描かれていて、ウェンディはカソワリーだけさっと手で隠してユーモアたっぷりに「ノー」と言った。
それだけ野生のカソワリーに出会うのは難しい。
さて、ウォンガリンガのオフィスには先ほど買い物をしたばかりのパラダイス・エステイトの割引券があった。
しまった。
知っていたら、もらってから出かけたのに。
ちなみにムーダリング・ポイントワイナリーとパラダイス・エステイト・ワイナリーのワインは、ケアンズ空港でも手に入る。最近取り扱いを始めたようだ。
ワイナリーで買うとフルボトル1本10ドル近く値段が違う
マンゴーワイン「ゴールデン・ドロップ」と違い、こちらは2ドル程度しか違わないので空港で買うのも悪くないと思う。
但し、ワイナリーに寄る機会があるなら絶対その方が良い。
何たって気前よく、あるだけ味見させてくれるから。
七日目「クロコダイル・スポッティング・ナイトツアー」に続く・・・