15.奇観ザ・クレーター
森の中の簡易舗装された小径を歩いていくと、結構すれ違う人が多い。
先ほどのカテドラルフィグツリーと違って、クレーターまでは700mぐらいある。さらに近くにディナーフォールズという滝もあるはずなのだが、こちらはさらに遠く、しかも道が途中で分かれていた。分かれ道は泥道だ。
これは、両方見て戻るのは難しいだろうか。
少し小走りで進むことにした。
軽い下りになっていて、その先にクレーターがあった。
人が落ちないように金属の柵がついていて、金髪の若い女性二人が下を覗き込んでいた。
これがザ・クレーターか。
何と形容したらよいのだろう。
これもまた、バリン湖やイーチャム湖と同じ火口湖なのだが、驚くほど深い。
ずぼっと地中に巨大な杭を突き刺して抜いた跡のような、深い巨大な穴がある。
そのずっと下の方に濃すぎる抹茶のようなどろどろした緑色の水が溜まっている、そんな感じ。
とにかく水面までかなり距離があるので、何か小石でも落としてみたくなる。
奇怪な景観。
Mt.ハイピパミー国立公園もバリン湖やイーチャム湖と同様、およそ一万年から一万五千年ほど前の火山活動でこれらの凸凹ができたとされる。
その頃の
テーブルランドはあちらこちらでどかんどかんと火山が噴火していたようだ。
今はここもあまり山らしくない形状で、アクセスする道もほとんど急なアップダウンが無かった。