9.ケアンズ空港免税店
ケアンズ空港の免税店は成田の第二ターミナルより楽しい。
ブランド品には興味がないが、オーストラリアらしい土産物を見て回るのは好きだ。
とはいえ、一般的に空港の店は高いので、実際にはあまり買い物をしない。
TimTamなんて倍以上する。
蜂蜜を買ってみた。
自宅用に安くて沢山入っているバケツの蜂蜜と、土産用にコンビタ社のマヌカハニー。
マヌカハニーはオーストラリア産ではなくニュージーランド産なのだが、マヌカの花から集めた貴重な蜂蜜でUMF(Unique
Manuka
Factor)という特殊な抗菌作用を持ち、ヘリコバクター、ピロリ菌、ブドウ球菌などに強い効き目があるという。外傷、火傷、潰瘍の治療に使われるというので買ってみた。
ちなみにマヌカハニーは美味しいと教えてくれたのは
おーとさんで、ケアンズ空港で安く購入できると教えてくれたのは
なかのさんだ。
ジュリークの化粧品も買いたかったが、空港で買うと高いかもしれないと思って踏ん切りがつかなかった。
私たちの乗る機は12時10分には発つはずだったが、どうも遅れているらしく11時半を過ぎてもいっこうに搭乗案内が入らない。
カナとレナはさっき買ったばかりのスワンプリンセスの双六を出して遊んでいる。
人形は細かいので開けない方がいいと私は言ったのだがどうしても聞かない。機内にも持って乗りたいと言う。
「ママはこんなに小さい人形を機内で出したら、間違いなく下に落とすと思う。いい? 自分がどんなにしっかりと管理していても、飛行機の中では揺れたりしてどうにもならないことがあるんだよ。そして一度座席の下に落としたら、二度と拾えないと思って。他の人の席の下などに転がっていって絶対に見つからないからね。
だから仕舞っておきなさい。持って乗ってはいけません」
「嫌だ。持って乗る。無くなってもいい」
「無くなってもママやパパは探さないよ。狭い機内では探せないから。もう一度言うよ。絶対持って乗らない方がいい」
「無くなったら諦めるから持って乗る。パパはいいって言った」
どうしてこんなに聞かないんだろう。
無くなるわけがないと思っているのが判る。でもママは無くなる確率の方が高いと思っている。予測できるトラブルは事前に回避したいのに・・・。
12時少し前。ようやくQF167便の搭乗案内が入った。
もしかしたらノーザンテリトリーからキャンピングカーで移動してきた
イルカさん一家も同じ飛行機かもしれないと思ってきょろきょろ辺りを見回したが、それらしい家族は見つけられなかった。
後から聞いたらイルカさんも同様に私たちを捜して下さったが見つけられなかったとのこと。
何のことはない、便が違った。
実は同日のケアンズ-成田便でも、もう一本遅い飛行機だった。
私たちの座席はうんざりすることに、また行きとまったく同じ場所だった。