子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★☆☆ 塩泉なので長湯に注意
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所にベビーベッド代わりのベンチあり、家族風呂あり
子連れ家族のための温泉ポイント
世界遺産石見銀山で掘り出した銀を運ぶ船の港、温泉津(ゆのつ)港。この港から伸びる街道沿いに栄えた温泉街が温泉津温泉だ。
温泉街には共同浴場が2軒と温泉旅館が何軒も並んでいるが、旅館に引かれている源泉は1本だけ。その湯元に当たるのが共同浴場の一つ、「薬師湯」。
毛利家に与した内藤水軍を率いる内藤家の敷地(現在の薬師湯の地下)から、明治5年の浜田地震をきっかけに湧きだした温泉が、それ。まさに薬師湯あっての温泉津温泉。
温泉津温泉の温泉津温泉たるところは、古い町並みをそのまま残しているところにある。道もまっすぐではない。明治、大正、昭和初期の面影がそこここに残り、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。
「薬師湯」の建物もすごい。レトロだが和風ではない。また隣接するカフェは木造の大正浪漫スタイル。モダンだけど白黒映画に出てきそうな雰囲気だ。
お湯は日本温泉協会の新基準で全項目最高評価の「オール5」、全国に19ヶ所だけの最高級天然温泉とうたっている。そういう自慢の仕方はあまり見たことがなかったが、実際に入ってみるとお題目は別にしても最高の温泉だった。うん、これはね、わざわざ遠方から入りに行くべき温泉だよ!と、エラそうに言ってみる。
建物の入口が銭湯っぽく男女別になっているが、これは中でいったん繋がっているから。そしてもちろん浴室はちゃんと男女別。初めての人には入る前の説明がちょっと長い。
お湯の色は紺色の混ざったダルトーンの緑の濁り湯。炭酸っぽい金属のにおいに嬉しくなる。温度は43.5度ときもち熱め。なんとなく見た感じ、もっと熱いと思ったから意外だった。
よく見ると浴室の床はミニパムッカレになりかけている。つやっとした木のような鍾乳石のような塊がテーブルサンゴのような形を作り始めている。浴槽の縁はまるで釉薬をかけた焼き物のよう。
意外と一足目が深かった。湯口のお湯はかなり熱いのに、浴槽内に炭酸らしいじゅわっとした感じが残っているのが凄い。
味は塩味に少し苦み、そして金属とともに植物の青臭いにおいも。
炭酸らしいとは言っても肌に付く泡本体までは見つけられない。とにかく体力を搾り取ってくる。これは長く入るのはヤバい。気持ちいいと思って入りすぎると倒れるやつ。
湯上りは2階休憩室か3階の展望テラスへ。3階からは温泉街が一望。赤い艶のある石州瓦を乗せた建築が連なる様子は上からでないとわからなかった。隣のカフェの屋根の尖塔もまるで日本ではないどこか欧州の景色みたい。
ここはすごい共同浴場ですよ。感動できる!