子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★★ 温度は適温、泉質は刺激などなし
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ 暖簾を潜ってすぐのところにベビーチェアあり、貸切風呂あり
子連れ家族のための温泉ポイント
岡山県にある「千と千尋」っぽい宿。名前まで「油屋」。でも真似をしたわけではなく昔から油屋を名乗っている。本当に行燈の油を商っていたというからこちらが先。
この湯原温泉「油屋」のお風呂の選択肢は3つある。
読んで混乱しそうなので番号をつけて説明すると、①まず客室が全て温泉付き。なんたる贅沢!
②それから向かいの「食湯館」という建物に男女別の大浴場がある。女湯は露天風呂も付いている。男湯は半露天風呂だが。
③最後の一つは客室棟である「夢酔庵」の地下にある「薬王湯」。ここは有料の貸切風呂だが家族で使っても余裕の広い浴室だ。
もともと油屋では自家源泉を所有していた。「薬王湯」の岩壁にはへこみがあり仏像が祀られているが、実は「薬王湯」は源泉のすぐ近くに作られた浴室。さらに横に流れる川の中にも自噴するスポットがあるそうで、水の冷たい季節には湯気が上がるという。
しかし現在は湯原温泉では源泉を共同管理していて、「森のホテル ロシュフォール」を除きどの宿も同じ混合泉を使用している。「油屋」も例外ではなく、客室のお風呂も「食湯館」のお風呂も「薬王湯」も同じ源泉。ただし「食湯館」のお風呂だけは掛け流しではない(つまり部屋のお風呂と「薬王湯」は源泉かけ流し)。
もうちょい詳しく書くと、②の「食湯館」の内湯は循環、露天風呂は加水加熱非循環。お湯の色は無色透明で、少しキシつきがある。沢水とは違うほんのりとしたにおいかあり、のぼせにくく割と長湯ができる。
一方、③の「薬王湯」は肌触りが違う。つるりとしたなめらかさがあり、いつまでも触れていたくなる。においはなかなかいいにおい。そしてこちらものぼせにくい。のぼせにくいのに温まるのは何故なのか。やっぱり常連さんには「薬王湯」が人気と聞いたが、そうだろうなとしか。
最後に①の部屋のお風呂について。「油屋」は全8室と小ぢんまりとした宿なのだが(川の対岸に別館もあったが、別館は2019年当時休業していると言っていた)、全ての客室に温泉付きというのはもっとアピールしても良いのではと感じた。お宿では昔からそうだったので、あまり特別なことだとは考えていなかったとか。もったいない。もっとプレミア感を持っていいよ。
そしてこの部屋の浴槽がまた大きいんだ。大きいというのはイマドキのお湯の量が少なくても体にフィットするような浴槽ではなく、無駄と思えるほど深かったりするあたり。
カランをひねると51度ほどの源泉がそのまま出てくるのだが、浴槽の内側のタイルが冷えていてお湯が溜まるころにはちょうどいい温度になった。しかしね、浴槽の容積が大きいから溜まりきるまでなかなか時間がかかるのね。だから余裕をもって早めにお湯を溜め始めた方がいいよ、うん。
窓から景色を眺めながら部屋付きの温泉に入るのは、妙な優越感があるね。余はくるしゅうないぞよ。でもって湯上りは全身すべすべぞよ。
湯原温泉 元禄旅籠 油屋の部屋や食事に関してはINEトラベルjpに寄稿した記事をご覧ください。 岡山・湯原温泉「元禄旅籠 油屋」 ここは「千と千尋」の油屋?