子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 湯温は適温、泉質に刺激などは無し
- 設備★☆☆☆☆ 雰囲気★★★★☆ ベビーベッドなど特に赤ちゃん向けの設備は無い
子連れ家族のための温泉ポイント
柱状節理というのは、溶岩が冷却するときに出来上がるパイプオルガンのような文様の絶壁だ。
日本三大渓谷のひとつである新潟県の清津峡には、国の名勝天然記念物にも指定された見事な柱状節理が見られる観光トンネルがある。
この全長750mの清津峡渓谷トンネルでは、V字に深く切れ込んだ雄大な景観だけでなく、パネルやビデオによる渓谷周辺の案内を楽しむことができる。
清津峡小出温泉は清津峡渓谷トンネルの手前、狭い県道の両側に数軒の宿が建ち並んでいる。
駐車場のスペースが限られているので、旅館宿泊者以外は温泉街入り口にある駐車場に車を停め歩くことになる。
なんの、ごく小さな温泉街だから歩いても苦にはならない。
右手に豪華な清津館の建物が、左手に小ざっぱりとした日帰り温泉湯処よーへりが見えてきたら、そこで温泉街は途切れる。
この先トンネルまで何もないかのように見えるが、実はトンネルの手前にもう一軒建っている。
湯元と書かれているが、宿ではない。
ここは食堂・苗場館。
実は半年前にも苗場館を訪ねていたのだが、そのときは食堂のみの営業で入浴は叶わず。
今回ようやく入ることができた。
「すいません、お風呂をお願いしたいのですが」と問うと、中から奥さんが出てきて受け付けてくれた。
ちょっとくたびれた感じの店は微妙にB級感を漂わせている。
料金を払うと、奥さんは「こっちです」と案内してくれた。
お風呂は食堂の中ではなく、外側から回るようになっている。
何だか妙な感じ。
玄関が本当に民家の玄関。
日帰り温泉ではなく、知人の家にあがるときのような感じだ。
入って直ぐ手前が男湯。奥が女湯になっている。
階段や廊下も店と言うより誰かの家という感じだ。
パパと別れて女湯の方に進むと、正面に暖簾があり、くぐると突き当たりにいきなり脱衣棚。ドアが無いので唐突に感じる。
脱衣棚から右の階段を下りると内湯があって反対へ行くと露天風呂があるようだ。服を着る必要はないが、いったん体をふかないと移動できない。
内湯は岩の湯口にタイルの浴槽で、洗い場など少し古びているがシャンプーやボディーソープの備え付けはあった。
お湯は無色透明で湯の花が少し。
いい感じにほんのりとしたゆで卵の臭い。
冬に入ったときはもう少し熱く濃いような気がしたが、さっき入ってきたばかりの松之山兎口の翠の湯が猛烈に熱くて濃いお湯だったので、むしろ薄いくらいに感じる。
いやいや薄いわけがないのだが、これは比較の問題。
酢と塩をかけたゆで卵のような味も以前よりマイルドに感じる。
それより肌触りがこんなにすべすべしていたっけ。
露天風呂の方は新しそうだった。
入り口に絶景露天風呂と書かれていたが、確かに緑滴る山を正面に望み、塀まで寄れば清津川の澄んだ流れも。
そんなに大きな浴槽ではないので、こうして独占できるとしみじみと良さが判る。
ああ、何だか松之山温泉翠の湯が少し濃すぎたので、ここで少し塩分を落とせてちょうど良いかもしれない。
翠の湯でかなり体力を消耗してぐったりとなっていたのが、嘘のようにすっきりと回復してきた。
指の間をお湯がすべるような感触がいい。
肌もすべすべになって幸せ。
車を降りるときには、さっき入ったばかりだからもう温泉には入らないと言っていた子供たちだが、すっかり露天風呂の丸石にはまってしまって、パパが出てもさっぱり上がろうとしなかった。
呆れたパパは、仕方なく外に出て、苗場館の正面にあるベンチに座って露天風呂を見上げていた。