子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★★★☆ 内湯は熱いこともある(加水次第)
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 混浴露天風呂は脱衣所が狭く使いにくいかも
子連れ家族のための温泉ポイント
秘境 秋山郷に平家の隠し湯あり。
弘法大師が封じたという伝説の残るその温泉が、昭和40年に再び湧出した。
これが屋敷温泉であり、屋敷温泉の一軒宿が秀清館になる。
屋敷温泉 秀清館は、思ったより開けた場所にあった。
小赤沢温泉よりさらに奥まった場所にあるのだが、山の中と言うより大き目な田舎の家といった雰囲気だった。
駐車場に車を停めて、大きな岩がちょっと適当な日本庭園を作っている感じのところを昇っていくと、まるっきりあけっぴろげなので池にしか見えない混浴露天風呂があった。
無断入浴を禁ずる 入浴料300円と書かれた札があり、すだれで微妙に中を隠した小さな脱衣所もある。
でもこれはいくらなんでも女性がそのまま入るのは難しそう。
広いお風呂の底が沖縄の海の色風の明るい水色なのも、お風呂と言うよりプールっぽい。
一緒に来た男性メンバーが内湯の後にこの露天風呂に入ってみたところ、外気にさらされて広さもあるので温度はほぼ適温になっていたとコメントしていた。
建物の中もやはりどこか古い大きな民家のようで、木彫りや剥製があちこちに置いてあり、帳場も小さ目だ。
入浴料は一人600円。
さっきの混浴露天風呂だけなら300円だが、中のお風呂は600円で、その場合は自由に外の混浴露天風呂も入浴できるとの事。源泉は中も外も同じだそうだ。
浴室入り口は暖簾ではなくすりガラスのドアに「殿方浴室」「夫人浴室」と飾り気のない文字で書かれているのがどことなくレトロだ。
お風呂はそんなに大きくなかった。
入り口のレトロさからすると、外に面した壁が一面ガラス張りになっている採光の良い浴室は、建物からすると浮いている気がした。
窓の外の景色も含めて、場所の割に秘湯っぽさの無いところが違和感。
でも浴槽そのものは岩風呂で、湯口付近からその周辺まで温泉成分で色が変わっていたりして年季が入っている。
窓際にすずりのような形のお風呂がもう一つあって、そちらは寝湯のようだった。
お湯は南国の海の色。
外の混浴露天風呂と同様、硫黄成分でお湯に触れる浴槽部分が真っ白になって、そこに透明水色のお湯が入って光が差すと、本当に綺麗な色になる。
すごく熱いのかなと思ったが、むしろあっさりとぬるめ。
白い湯の花がひらひらとお湯の中を漂っているが、中には陶器のように固いものもあり、それは析出物が浴槽に張り付いて剥がれた部分らしい。
強烈だった小赤沢温泉の鉄のにおいがずっと肌から取れなかったが、しばらくこの屋敷温泉に入っていると、今度はふんわりと硫黄系のマッチのようなにおいで上書きされる。
味は苦みのある塩の薄いゆでたまごみたいな感じ。
肌ざわりはきしつきが強い。
体が軽くなるようないい感じのお風呂。
ところで上がる頃になってなんでこのお風呂がぬるいかわかった。
湯口の上に岩で湯だまりになっているところがあって、そこにバルブが沈んでいた。
最初から源泉に加水されてぬるくなったものが浴槽に注がれていたのだ。
ためしに水をちょっと絞ってみると、だんだんとお風呂の中が熱くなってきた。
ちなみにすずりみたいな寝湯の方は最初から熱湯だった。
正直入れない。
岩風呂の方も水を完全に止めてしまったら、寝湯みたいになるのだろう。
宿の脇には今も源泉の湧く穴がある。
入口に仏像が祀られた横穴があって、その奥だ。
昔の源泉は既に温度が下がって触ると水みたいになっており、横穴の近くに別の源泉井戸もあって、そちらが現在使われているお風呂のお湯のようだ。