子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 温度は適温、泉質は特に問題なし
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★☆☆☆ 脱衣所にベビーベッドやベンチは無い
子連れ家族のための温泉ポイント
浅間温泉は松本の歴史ある奥座敷で、大型旅館のイメージが強い。枇杷の湯やホットプラザ浅間といった日帰り温泉はあるが、その他にいわゆる地元の人が自宅のお風呂代わりに通う外湯=共同浴場もある。
上記の2ヵ所を除くと全部で14ヵ所。実際は20ヵ所以上あったという話も聞いた。しかしそのほとんどはジモ専。一般観光客は入れない。
以前は観光客も受け入れてくれたという外湯の中でも、倉下の湯は閉鎖、港の湯はジモ専になってしまった。そもそも一般客を受け入れるには受付に管理人が必要で、人材不足や高齢化からそれが難しくなったという事情がある。そんな中、現在唯一残るのがこの仙気の湯。
ありがたいことこのうえない。
江戸時代からの歴史を持つ外湯で、浴室の2階は公民館的に使われている。仙気とは腸や腰のことでそこの痛みに効くとされ、上浅間温泉中央分湯場隣から昭和25年に移転してきた。現在の建物は平成元年のもの。
券売機で入浴券を購入し、番台に出す。脱衣所にラジオの演歌が流れているのがなんともレトロ感を増している。
ちょうど先客が上がってきたところで、「今なら貸切状態よ」と教えてくれた。また手前の脱衣棚を使うと外から見えちゃうからと番台の人も親切にアドバイスしてくれる。
シンプルな浴室。洗い場は4ヵ所。浴槽は正面で無色透明のお湯が入っている。もしかしてお湯はかなり熱いのかなと思いながら掛け湯をしたが、ほどよく適温だった。
昔は圧注浴に使っていたらしい設備が1つあるが、今は手を加えない掛け流し。浴槽の下の方にぬるい湯を排出するパイプがあるだけ。
お湯の表面からは特ににおいは関知できないが、湯口は飲泉可で口に含むとわずかに硫黄臭。ちなみに脱衣所のドライヤーは使用料20円だった。
風情が失われつつある浅間温泉だが、お湯はまだまだ溢れている。だからこそ仙気の湯はいつまでもこのまま残ってほしい外湯だ。