子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★★★☆ 露天風呂は少しお湯が熱め
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ ベビーチェアあり、貸切風呂あり
子連れ家族のための温泉ポイント
The Worke(ザ ワーケ)というワーケーション向け連泊サイトのアンバサダーをしているのだが、そちらの体験記を書くために上林温泉 仙壽閣に宿泊する機会を得た。⇒ちなみにザ ワーケでは長期滞在連泊プランで、仙壽閣が1人1598円~から泊まれる。
で、全体を紹介する体験記はザ ワーケに寄稿したので、こちらの記事ではまいどながら温泉を中心に紹介したいと思う。
仙壽閣で使用している温泉の湯量は長野県最大級だというから、そうとうなもの。実は源泉は地獄谷から引いている。
地獄谷と言えば野生の日本猿が温泉に入ることで世界的に有名な地獄谷野猿公苑がある。また地獄谷には後楽館という一軒宿があり、その宿の露天風呂にもお猿が入りに来る。昔後楽館に日帰りした時も、内湯に入浴しているときに上からお猿にのぞかれたし、混浴の露天風呂は入りはしなかったけど見に行ったらお猿がお風呂のお湯を飲んでいた。
基本的には仙壽閣はその後楽館と同じ地獄谷の源泉を使っている。後楽館から橋を渡ったところに渋の地獄谷噴泉があるが、そこで湧いているお湯。ただし、噴気となって地上に出る前の地下の段階から酸素に触れさせずに1.5キロパイプで引いてきているという話だった。
館内の温泉分析書の源泉名は「旧湯」となっていて、実際は新湯もミックスしていて、新湯の方が割合が多いとも聞いた(新湯の分析書は見当たらず)。
その引き湯の1.5キロの間に約10度ほど温度が下がり、さらに屋内プールの水を熱交換してもっと温度が下がり、それでもまだ浴用には熱いので、沢水で加水している。大浴場の内湯はさらに、天井近くから壁一面にお湯を流して冷ましている。
地獄谷の源泉をふんだんに使える理由は、野猿公苑の運営を含め源泉の権利をここが所有しているからだという。ちなみに仙壽閣の親会社は長野電鉄だ。
大浴場の内湯を見ていると、壁一面から落ちてきたお湯が浴槽に入り、さらに浴槽の縁を越えてさざなみを作りながら掛け流されていく。なんとも豪快で贅沢なお湯の使い方だ。
しかも毎日完全にお湯を抜いて清掃しているという。大きなお風呂はお湯を貯めるのも大変だと思うが、そこはやはり豊富な湯量に支えられているのだろう。
お湯自体はほぼ透明。温度は露天風呂の方が熱め。少し焦げたような淡い硫化水素臭がするが、こうしたにおいも露天風呂の方が強く感じる。ふわふわした白い湯の花もわりと多い。
肌触りは最初は軋むが、入っているとだんだんしっとりしつつ滑りが良くなる。飲むと僅かに塩味があるやなしや。舌に引っかかるようなテクスチャーが後に残る。
温度は二日間計ってみたら、内湯は1日目が41.7度、2日目が42.5度、露天は1日目が43.5度、2日目が44.9度だった。ただ、お湯自体は主張が強いお湯ではない。じわじわと良さが染みてくるようなお湯。
お風呂については以上だが、個人的に素晴らしいと思ったのは館内が美術館のように絵画などの作品を多く展示していること。季節によっても展示の入れ替えをするそうだ。また、庭園やロビー、室内プールなど非常に趣きがある。
ここは昨今ちょこちょこと作った和モダンのホテルなんかと違って重厚なクラシックホテルなのだ。実際のところもっと知られて良いように思う。というか、なんでそんなに知られていないんだろう。知っている人はみんな内緒にしておきたいんだろうか?