子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 温度はぬるめ、泉質は特に問題なし
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆ 混浴はパパにも協力してもらえそう
子連れ家族のための温泉ポイント
簡易舗装の一本道を走っていくと不安になる。本当にこの先に旅館があるのか?
地図を見て、確かこの辺に日本秘湯を守る会の宿が一軒あったような・・・と思って宿泊を決めた宿だった。以前は結構頻繁に長野県に遊びに来ていたが、そういえば上田市のあたりは訪ねたことが無かった。
信州角間温泉 岩屋館は、公式サイトを見ると洒落た新しいそこそこ高級な宿に見えた。宿泊料も高いとは言わないが、普段我が家が泊まる料金からすると少々お高め。どうしようかなと思ったけど予約した。
そういえば同じ信州の渋・湯田中温泉郷にも角間温泉ってあったよな。紛らわしいことこの上なし。
実際に現地に行ってみると、思ったよりは古びている。部屋は綺麗だけど、廊下や階段はガタがきているところも。夫は「秘湯」らしいからこのくらいのくたびれ方は守備範囲だと。確かに山奥の秘湯だと思えば十分綺麗かも。インターからほんの20分程度走っただけなのに、一本道の先にあるのはこの宿だけという風情はなかなかいい。岩が張り出した景観も迫力。なお、駐車場に並んだ客の車は何故か高級車ばかりだった。
お部屋や食事に関してはトラベルjpのガイド記事を書いたので、そちらを読んでいただけると嬉しい。ここでは温泉とお風呂を中心に紹介したいと思う。⇒トラベルjpガイド記事「濁り湯だから混浴でも安心!長野「角間温泉 岩屋館」の炭酸泉」
信州岩間温泉 角間館のお風呂は、男女別の内湯と混浴露天風呂の2種類だ。どの浴室にも濁り湯の角間温泉第2号源泉と無色透明な名水の沸かし湯が張られている。
濁り湯は以前は川の側で自噴している冷たい1号泉を加熱して使っていたが2006年に新源泉(2号泉)を掘削して得た。駐車場の近くに源泉井戸があるが、1300m掘ったそうだ。近くでもともと自噴していたのにこれまた随分深く掘ったんだなという感想。で、同じような炭酸泉が湧いたと。
違いは温度。新源泉は49度。これが地表まで汲み上げる間に気化して熱が逃げてしまうので37~39度ぐらいまで下がってしまう。これを2度ほど軽く加熱。38~40度程度の気持ちぬるめで浴槽に注ぐ。
露天風呂は混浴だが、女性専用タイム有り。脱衣所は男女別で、お湯は濃い濁り湯だから女性でも入りやすいと言えば入りやすい。ただ、女性用脱衣所から浴槽に直結しているわけではないので、混浴苦手な人には勧められない。
炭酸泉は鉄分が酸化して土を溶かしたような茶色。中央からボコボコと集中的に泡が出ているが、これはボーリングしたところからパイプで引いてきて、浴槽の中央の底から注入しているからで、じゃんじゃんお湯を入れている時は泡も元気がいいし、はらってもはらってもはらいきれないほど肌に泡が付く。泡をつぶしながら入る感触が楽しい。
肌触りはきしきしを通り越し、ギッチュギッチュきしんでいる。茶色い粉状の湯の花の他に、油膜のようなメタリックカラーが表面に少しだけ浮いている。
鉄のにおい。触れた所に茶色が付く。
浴槽は一部浅くなっており、寝湯にすると岩山がよく見えると書かれているが、どれがその岩山だかその時は判らなかった。朝風呂に来た時に、お湯の管理に来た宿の人に教えてもらったが、この辺りの岩は坂上田村麻呂が退治した鬼が棲んでいたので鬼が城と呼ばれているそうな。思っていたより高い位置にその奇岩がそびえていた。
源泉の炭酸を活かすため、濁り湯のお風呂はぬるめ。冬など寒い場合は隣の名水沸かし風呂で温まると良いらしい。名水は真田一族がわざわざ汲みに来ていた川の側の湧水ということだ。まあ、温泉の方も、上がった直後は寒くても、後からぽかぽかと血行が良くなるよ。
内湯はあまり泡が付かない。日帰り温泉で入浴する場合はこの内湯だけになるようだ。使っている源泉は混浴露天風呂と同じものだが、こちらは底からの注入ではなく湯口からの投入。入れている量も露天風呂よりかなり少なかった。そんなこんなで泡はひかえめになる。
こちらの湯口からは鉄臭に加えてゆでたまごみたいなにおいもしていた。
なお、名水風呂も悪くないので温泉じゃないと入らないのは勿体ない。ちなみにこっちも湯口に白い析出物が付いている。
内湯は浴室前に飲泉所があるから飲んでみるべし。これが以前使われていた1号泉だ。
宿の人は不味くて飲めないと言うが、しゅわしゅわしているものの思ったほど鉄っぽさは強くなく、なんとか飲める。錆びっぽい感じは無い。まろやかな塩味も少し。隣の蛇口の名水の方は普通に美味しい。
信州角間温泉 岩屋館の建っている場所はちょうど二つの川が合流している地点。このうち、正面玄関前(名水が湧いているのはこっち)ではなく、谷側を流れている川は黄濁している。もうおわかりかと思うが、これは温泉の色だ。川沿いのあちこちで茶褐色に濁る炭酸泉が自噴しているわけだ。1号泉もその一つ。