子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★☆☆☆ 泉質★★★★☆
- 設備☆☆☆☆☆ 雰囲気★★★★★ 幼児料金の設定はあるが、普通は連れてこないと思う
子連れ家族のための温泉ポイント
5~6時間歩かないとたどり着かない本格的な登山道の温泉小屋。ここまで登る話は【登山編】で。ここからは温泉小屋宿泊の話を書く。
とにかく日頃運動しない私は、友人に連れられてなんとか歩き、ほうほうのていで白馬鑓温泉小屋に到着した。もう足は限界を超えて動いているのが不思議なほど。
まず建物の前にテント場があり、それから足湯、さらに階段を上ると右に混浴露天風呂、左に源泉違いの女湯。白馬鑓温泉に近づいてくると、もう川からゆで卵臭がしてくるほど。
ここは毎年夏の三か月間ぐらいしか営業していない。立地的に雪崩のメッカだから冬はいったん小屋を解体しないとならないのだそう。
毎年6月にはスタッフが大工とヘリで上がり、建物を組み立てる。組み立て前提だから、山小屋も湯小屋も壁にナンバーなどが書いてある。これら解体と組み立て作業に1500万円ぐらい掛かるそうで、夏の3か月間で利益を出すとなると、山小屋なのに高いと言われても2食付き1万6千円は減額できないという。とても大変そうだ。
到着して荷物を下ろしたら、人が少ない時間帯を見計らって混浴露天風呂へ。先に女湯に移動して湯あみ着に着替えてから混浴に行く。混浴露天風呂はちょうど斜面側が開けていて眺望がとても良い…
…が、今日は天気がいまいち。もっとスカッと晴れたら良かったのに。それでもなんとか低い位置の雲が切れて遠くの山々は見える。
温度は熱めで45~46度強。お湯の色は透明だと思うが、浴槽内に緑色の苔が生えているのか、緑に見える。その苔で底は少し滑りやすい。
肌触りはしっとりしていて、滑るでもなく軋むでもない。ゆで卵臭に薬っぽいにおい。湯の花も少し。そしてホースを突っ込んであったから、そこからお湯を出しているのかと思ったらこれは水だった。源泉は一部底からも湧いているらしい。
一方、女湯は青い。青い白濁で夕方などまるで発光しているようにも見える、とても綺麗な色だ。
湯小屋になっているので開放感はないが、木造の建物で上部の一部はオープンになっているので、少しだけ景色も見える。半露天風呂のような雰囲気。
女湯は混浴露天風呂よりゆで卵臭が強く、代わりに薬品臭はあまりしない。白い湯の花もたくさん。肌触りはしっとり。温度は最初は44度ぐらいだったが、夕方には混浴より高くなり、46.9度もあった。
なお、夜7時半~8時半の1時間だけ、女湯と混浴露天風呂が交代になる。混浴とは異なる源泉の女湯に男性が入れる唯一のチャンスの1時間だ。
なお、基本的に女湯は非加水だが、今年(2023年)は雪が少なかったから温度が熱くなっていたそう。それで混浴露天風呂はやむなく加水しているが、本来は混浴も女湯もそんなに熱くないという。
この辺りはお湯が湧くから白馬鑓温泉でお湯自体はあるのだが、むしろ加水用の水を持ってくるのが難しいとのお話だった。なるほど。
というわけで温泉そのものは大変楽しく満喫させていただいたが、翌朝は雨で最初の斜面の下りは恐怖そのもの。足はできるだけ地面に対してフラットに付けてつま先などでは歩かないというオーナーのアドバイスと、滑らないように落ち葉や石の上を避けるという引率してくれた友人みりたびさんのアドバイスでなんとか降りた。
途中、前を歩いていたインバウンドグループが道を間違えて引き返したりと焦ったが、なんとかふもとまで下りてきた。素晴らしい体験だったが、もう一度行けと言われてももう行けない、たぶん。