青根温泉 湯元不忘閣

伊達政宗が訪れたと伝わる老舗旅館

[2020年9月のデータ ただし一部の情報は2020年8月のデータ]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★★★☆ 泉質★★★★★  温度は比較的適温
  • 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★★  無料の貸切風呂が2つあるので子連れにも便利

青根温泉 湯元不忘閣の体験レポート

不忘閣の青根御殿

美学がある温泉がある。

不忘閣の大湯と湯気

古いものが美しく残っているけどそれだけじゃない。お風呂も廊下も光の差し込むちょっとした隙間も何もかもが絵になる。

不忘閣の館内

青根温泉の不忘閣はずっと泊まってみたかった宿だった。そして泊まったら目に入るもの全てに感動した。

不忘閣の外観

さて、「不忘閣」は入口を見ただけでは凄さがわからない宿の筆頭である。それなりに古そうだが、良さが伝わっていない。また客室の一部が尋常ならざるほど遠い。延々と…本当に延々と階段を上らなきゃならない。あまりにも階段が長いので仲居がいつかないと聞いたがさもありなん。

不忘閣の階段
階段はこれでごくごく一部、ずーっと長く階段が続く

しかも私たちが泊まった部屋は喫煙を条件にしたから果てしなく階段を登った割には展望がない(これは当時の話で今は全室禁煙のはず)。

不忘閣の客室

食事やお風呂の種類に関してはRECOTRIPの記事に書いたので、ここでは使い切れなかった写真を中心に紹介したい。RECOTRIPの記事⇒宮城県の温泉おすすめ青根温泉湯元不忘閣はカップルにも最適?日帰りは

不忘閣の縁側

不忘閣のお風呂は全部で6つ。うち4つが男女入れ替え制で、うち2つが貸切風呂(利用料無料)。だから時間に気を付ければ全部入れる。ぜひ全部入ってほしい。

不忘閣のお風呂案内図
お風呂の案内図

まず「御殿湯」の大と小。

不忘閣の御殿湯 大
御殿湯 大
不忘閣の御殿湯 小
御殿湯 小

この2つの浴室は隣り合っている。昔は大きい方が男湯、小さい方が女湯固定だったんじゃないだろうか。御殿湯という名前からも伺えるように、元々はお殿様用のお風呂があったところに作られた浴室だ。今のお風呂は昭和になって作られたものなので、当時のお風呂が今も残っているというわけではない。

不忘閣の新湯
新湯

では一番古いお風呂はどこかというと、次に紹介する新湯がそれだ。こちらは江戸時代に作られた浴槽をそのまま使っている。一番古いのに新湯とはこれいかに。当時の源泉が後から掘ったものだからか(今は混合した共通源泉)

不忘閣の大湯
リニューアルした大湯、めちゃくちゃ広い

最後に残った男女入れ替え制が「大湯」。まさに不忘閣を代表する浴室。もともと不忘閣の大湯は地域の共同浴場として使われていた。老舗旅館の大浴場が共同浴場?とびっくりしたが事実。

2006年にリニューアルしてとても綺麗になったとともに、今は共同浴場の役を解かれて不忘閣宿泊者のための大浴場となっている(共同浴場の役目はじゃっぽの湯へ)。

不忘閣の温泉

なお、とても綺麗でかつ荘厳な雰囲気のこの「大湯」だが、浴槽そのものは今も江戸時代に作られたそのままだというから驚きだ。

頭がよくなる温泉

館内には「頭がよくなる温泉」という紹介文が掲げられているが、このお湯は大湯だけでなく青根温泉全体のお湯を指すという。

不忘閣の大湯の湯口

お湯そのものの印象はといえば、無色透明で特にはっきりしたにおいはない。とても入りやすく肌馴染みがよい。お湯の中で肌がすべすべとする。一部の浴室では飲用できるように柄杓が置いてあるが、味も特に飲みにくいところがない。

湯上りの肌はサラサラとして、あとに指先がつるんとする。

不忘閣の庭

それでは残る貸切風呂2つを紹介しよう。

一番新しいお風呂の「亥之輔(いのすけ)の湯」。亥之輔とは不忘閣の19代目の名前で、17代18代がそれぞれ県議会議員を務めたり今の御殿湯を作ったりして名前が知られているのに対し、あまり名前が知られていないからお風呂に付けられたのだとか。意外なエピソード。

不忘閣の亥之輔の湯の暖簾
亥之輔の湯はこの暖簾を潜って…
亥之輔のドア
隠れ家のような場所にある
不忘閣の貸切風呂 亥之輔の湯
どこか茶室のような趣のある亥之輔の湯

頭を下げないと入れないところがどこか茶室を彷彿とさせる亥之輔の湯。斜めになった天井は、実は「青根御殿」に至る階段部分。「青根御殿」は一番上の画像にそびえる建物。泊まると朝に女将の青根御殿ツアーに参加できる。

不忘閣の喫茶去
チェックインから夕食まで地酒が飲める喫茶去

最後に不忘閣でも一番びっくりしたお風呂「蔵湯浴司(くらゆよくす)」を紹介しなくては。ここはとにかく凄い!言葉を失った。

蔵湯浴司の通路
この蔵の内側にお風呂が?

蔵の中にお風呂があるわけだが、なんなのこのアプローチ。私は今どこに向かって歩いているの?

蔵湯浴司の脱衣籠

中に入って左手を見ると蔵の隅に脱衣籠…そして振り返ると…

蔵湯浴司

光の中に浮かび上がるあまりにも幻想的な浴槽。なんなのこの広すぎる空間の贅を尽くした浴槽は。「亥之輔の湯」が「茶室」なら、「蔵湯浴司」は「能」の世界だ。

蔵湯浴司 入浴中
入りました

これが無料の貸切風呂って信じられない。完全に一つのアート。まるでミュージアム。

もともと大湯のリニューアル工事でこの宿の大浴場兼共同浴場が使えなくなって、その時の仮風呂として「蔵湯浴司(くらゆよくす)」は作られた。蔵を浴室にしてはどうかとアイデアを出したのは女将さんだそうだ。

さらにアートのごとくライティングにもこだわって見せるお風呂を作ったのは21代目の現湯守。そしてこの奇跡のような浴室が完成した。

蔵湯浴司の湯口

もうとにかくこの美しいお風呂に入るために「湯元不忘閣」に泊まるべき!

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