子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 温度はぬるめ浴槽あり
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★★☆ ベビーベッドなし
子連れ家族のための温泉ポイント
鹿児島県の温泉でもギャップが楽しかったところ。そしてとても親切だったところ。印象が良かったので、ついつい人にも勧めたくなっちゃうところ。
その日は霧島からバスで塩浸温泉まで下りてきて、塩浸温泉で入浴した後はひたすら天降川沿いに歩いてここまでやってきた。飛行機の時間まではまだ少しある。途中に空港行きのバス停もあったし、きのこの里に入浴した後はそのバス停まで歩いて戻れば飛行機に間に合うはず。
一応入館時にバスの時間を確認したのね。そしたら店長とおぼしき人が親切に調べてくれて、まだ余裕があるから大丈夫と。
それでまずは入浴前に腹ごしらえした。ついついグルメより温泉を優先しがちな私はうっかりすると昼食も抜いてしまう。もともと小食なのでがっつりランチはいらないんだけど、軽めの食事か甘いものでもあれば嬉しいなって。
そこへありがたかったのがこの「きのこの里」の喫茶たんぽぽ……あれ??事前に調べたテキトーな情報によると、きのこの里は蕎麦屋だったのでは??
「いや、店長が気まぐれで急に方向転換しちゃってね。蕎麦屋も評判良かったんだけど」とスタッフさん。
蕎麦屋がいきなり喫茶店だよ。それも「喫茶たんぽぽ」なんていうと昭和レトロなダサ可愛い内装をイメージするじゃん?違うの違うの、ウッディでナチュラルでかつ都会的なの。カフェなの。お洒落なの。女子旅っぽいの。
それが都会じゃなくて自然いっぱいの霧島のふもとにあって、窓からは天降川の渓谷なんて見下ろせちゃうわけ。
メニューはコーヒーにこだわりがあるみたいだけど、好みで紅茶とスティックトーストセットを選んだ。このスティックトーストはオリーブオイルをつけて食べるんだけど、外はパリッとして中はふわっとしている。オリーブオイルも紅茶も美味しい。
おなか一杯になった後はお風呂へ。温泉は別棟で階段を下りていったん外に出る。こっちはまた年季が入っているな。
なおこの温泉は200年前から使われている源泉だそうで、常連客も多い。入浴料は最近300円に値上げしたけど、ついこの間までは200円だったって。やすすぎっ!
さすがにこの金額なのでシャンプー類の備え付けは無し。浴槽は右があつ湯で左がぬる湯。さらに何故か露天風呂が水風呂!? しかも家庭用ポリバス?キャンプ場のシンク?みたいなやつ。この水風呂も特別な水らしいんだけど、冷たいのが苦手な自分は露天には出なかった。12月だし。
泉質は炭酸水素塩泉で、甘い金属臭に、ほの甘くじゅわっとした味。ちょっと足がちりちりする感触もある。浴室全体に鉄分を感じるオレンジ色が染みついていて、よく使いこんだ浴室だなぁと思わずしげしげと眺めてしまう。
お湯の色は緑黄の濁り湯で、足の先が見えない程度の濁り。たまに茶色い粒状の湯の花。
この時も常連さんがたくさん来ていて話しかけてくる。鹿児島の温泉は日本で一番お風呂で話しかけられる率が高いのだ(当社比)。
湯上りに、最寄りのバス停にはちょうどよい時間のバスがないからと、店長はわざわざ少し離れたバス停まで私を車で送るようスタッフに頼んでくれた。ありがたいありがたい申し訳ない、ありがとう。
送ってくれたスタッフさんはバスが発車するまで手を振って見送ってくれた。
外観がまるで蕎麦屋、館内はお洒落カフェ、そして浴室は昔ながらの湯治場。日の出温泉きのこの里はこういう温泉施設だって一言で説明できないギャップの塊がとても楽しいところだった。しかも1組限定で宿泊もできるんだよね。次はちょっと泊まってみたいよね。本当にいい温泉なんだよね。