子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★☆☆☆☆ 泉質★★★★☆ お湯は熱く泉質は滑りやすいので注意
- 設備★★★★☆ 雰囲気★☆☆☆☆ 脱衣所にベビーベッドあり
子連れ家族のための温泉ポイント
特に予定していたわけではなく、たまたま通りすがりに看板を見て気になって立ち寄った。評判の一つも調べていないので、当たって砕けろ精神だ。
レトロな受付は雑然と売り物が並んでいるが無人。お願いしまーすと呼ぶと見るからに不機嫌そうなおばちゃんが出てきた。これは手ごわそうだ。
そしてまず最初に洗い場のカランを使ってほしくないんだよねと言われた。あっ、はい。
要領を得ないが、どうも浴槽の温度調節に水を使っていて、洗い場のカランの水を出してしまうと調節がうまくいかなくなってしまうらしい。水圧を変えたくないのかもしれない。
さらにカランを壊した人がいるようで、それもあってカランを使ってほしくないらしい。部品が特注品だからとかなんとか。
「大丈夫です。湯船のお湯を汲んで洗いますから」と言ってもカランの話が止まらない。しまいには、つい数分前に他の温泉に入ってしっかり洗ってきたばかりですのでと言うと、じゃここで入る必要ないじゃないと呆れられる。
「いえいえ、ぜひここの温泉に入りたいんです!」と力説すると、ますます理解できないと呆れられる。入ってほしくないんか~い。
そんなこんなですったもんだあったが、ようやく浴室に移動した。浴槽は2つでコーラのような美しい色。モールカラーの濃いやつだ。
2つの浴槽のうち、窓際の方だけに湯口があり、隣は貯め湯になっているっぽい。一つ前に入った前田温泉が激熱の48.8度だったから、今回は慎重にまず温度計測から行うことにした。えーと…湯口のある方のお湯は…
「49.9度ぉ~!!」
吉松温泉郷のみなさんの身体は耐熱仕様なんか?いや、50度弱のお湯には入れんでしょう普通。
隣の貯め湯になっている方は44度超と人間向けの温度。こちらに入る。そりゃそうだ、人間なので。
すべすべと滑る感触の強いお湯で、でも内壁を探ってみても穴など見当たらない。こちらの浴槽にはどうやってお湯を入れるのだろう?
と、そこで気づく。なんかパイプみたいなのがあるじゃん。これをこうしてこうやって…
湯口のお湯を貯め湯に誘導すると、新鮮な源泉が入ってきた。このお湯がとってもいいにおい。華やかなモール臭のような灯油臭のような。いつまでも嗅いでいたい。変態か。
しかしお湯を誘導するとすぐにこちらも激熱になってくる。味は淡い出汁味にほんのちょっぴりの塩味。
湯上がりにはおばちゃんはそんなに冷たくなかった。いいお湯でしたと言ったら、まんざらでもなさそうだった。その反応で私もまんざらではなくなった。それでトータルで、いい印象の温泉の一つになった。