子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 湯口は熱いので注意
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所にベビーベッド代わりのソファーあり
子連れ家族のための温泉ポイント
花巻温泉郷でも台温泉は比較的大きな温泉街を形成していると思うが、それでも実際に足を運んでみると泣きたくなるほどに鄙びているのだ。
大型バスでお客を運んでくるような宿は見当たらない。頑張っているなと思うのは、時代劇から出てきたようなひときわ目立つ外観の中嶋旅館と、この「やまゆりの宿」ぐらい。あとは細々と常連さんが電話で予約して長期滞在するような小さな湯治宿が並んでいる。廃業したと思われる半分緑に埋もれたような宿の跡もある。
50~60年程度の歴史なので、宿としての歴史はそれほど古くない「やまゆりの宿」。北京の街の城壁で400年前に使われていた門の鉄の部分を使っているという入口のドアは重厚だ。館内は女性受けのする和モダンでありながら、現代的なアートも目を引く。
部屋や料理などの紹介は、取材してトラベルjpの記事に書いたので、ここではお風呂を中心に紹介したい。⇒トラベルjpの記事「花巻温泉郷 台温泉「やまゆりの宿」は囲炉裏スタイルの美食宿」
浴室は2つで片方にだけ露天風呂が付いている。これを男女交代制で使っているので、泊まった日に露天風呂付きの「かじかの湯」を、翌朝に内湯のみの「寿の湯」を使った。「寿の湯」は「やまゆりの宿」の源泉名と同じ名前だ。
源泉は90度台と相当に熱いので、これを沢水で加水して全てのお風呂に掛け流しにしている。「寿の湯」の湯口温度をちょっと計ってみたが58度ほどあった。湯量を絞って浴槽内は40.9度に調節されていた。
柔らかいゆで卵臭がするが、湯口の近くは硫黄が揮発してくるような刺激臭あり。肌触りは少し引っかかるが、おおむね滑らか。湯上りは非常にサラサラする。
アメニティはシャンプー類がシアバター入りだったり、クレンジングやスキンケアが松山油脂の製品だったりとけっこうこだわりがある。
「かじかの湯」と「寿の湯」を比べると、露天風呂で外気に触れるのもいいが、なんとなくレトロ感のある「寿の湯」に惹かれる。湯口に賢そうな猫の像があるのも好きだし、アメーバみたいに曲線でできている浴槽の形も好き。
なお、台温泉自体に源泉は3本あるというが、そのうち1本の「寿の湯」は「やまゆりの宿」の駐車場(宿の道向かいにある)で湧いている。宿の中に「寿の湯」と「新湯」という2種類の分析表を見たが、分析した時期が違うだけで同じ源泉を指しているそうだ。