子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★★★☆ 温度は少し熱め、塩泉なので長湯に注意
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★★ 湯あみ着可の混浴があるので家族で協力できる
子連れ家族のための温泉ポイント
江戸時代から鉱山で栄え、1950年代に森吉ダム建設の際もたいそうにぎわった。それも今は昔。
今は本当に周囲に何もないようなところ。ただ静かにお湯が湧いている。
もともとは今の女湯の岩の割れ目から自噴していたらしい。現在の源泉は女将の父にあたる先代がボーリングして得たもので、今はこの1本で杣(そま)温泉旅館と杣温泉のお湯を引き湯する森吉山荘のお風呂を賄っている。
浴室に入るだけでぷーんと硫化水素のにおいがしてきて嬉しくなる。お風呂は男女別の内湯の他に混浴の露天風呂がある。
源泉温度は50度台だが、加水せず湯量の調節だけで適温にしているという。女湯はカランから太いパイプでドバドバお湯を入れ、岩の湯口からもちょぼちょぼと足している。そして大量とはいかないものの、常に浴槽の淵からはお湯があふれて掛け流されていく。
岩のところに金属のコップが備え付けてあったので、飲んでみると薄塩味。
湯加減は少し熱め。あまり時間がなくゆっくりとは入れなかったが、その分名残惜しい後を引かれるようなお湯だった。
入ったのは内湯で、露天風呂は見学だけさせてもらったが、すぐ隣に沢が流れるとても野趣あふれる秘湯然とした露天風呂。脱衣所は男女別になっているがお湯は無色透明なので女性にはハードルが高いか?
でもご主人は「バスタオル、湯あみ着、気にせず自由に使っていいよ」と言ってくれている。女性としては大変ありがたい。
杣温泉旅館の源泉は東日本大震災で一度完全に止まってしまったそうだ。その後、奇跡的に再びお湯が上がってきたが、一度止まったことで温泉として利用するには再申請が必要だという役所の意見も出て業務再開が危ぶまれたこともあったのだと。
しかし最終的にはこの温泉を愛するファンの力ぞえもあり、元の温泉として認めてもらえて現在に至っている。こうして今も変わらず杣温泉のお湯に入れるのは巡り合わせなのかもしれない。