12.無料の美人の湯
駐車場で待つyuko_nekoさんにそのことを伝えて、タオルを手に再びロビーに戻った。
「実はテレビのもしもツアーズというのに出てしまってですね、お風呂が混雑しているかもしれません」
「入れるんですか」
「もちろん入れますよ」
受付の横に「もしもツアーズ」と書かれた色紙があり、ウド鈴木だの関根勤だの坂下千里子などのサインが並んでいる。
私たちはてっきり今がロケ中なのかと思って焦ったが、単に紹介されたので混雑が続いているということらしい。
「じゃ、大人二人お願いします。えーと入浴料は」
「だから頂きません」
「へ?」
きつねにつままれたような・・・。
何が何やら判らない状態。
とにかくタダだというので吃驚して、訳も分からないまま浴室へ向かった。