夕ご飯は市内に降りて食べるつもりだったが、その前に一風呂浴びよう。
むつグランドホテルの温泉は斗南温泉美人の湯といい、ホテルの敷地内、駐車場の横に別棟になっていて、普通に日帰り温泉として営業している。
斗南(となみ)温泉の斗南とは、斗南藩から来ている。
斗南藩とは戊辰戦争後に敗れ、逆賊の汚名を着せられた会津藩がこの地(現むつ市田名部)に復興を許された藩であり、わずか1年ほどの短期間であるがここで藩政を行った。
その後廃藩置県、弘前への吸収合併を経て、会津より流れてきた人々は霧散し、今は史跡も多くは残らない。
しかし斗南藩主-会津藩主であった松平一族と斗南温泉を併設するむつグランドホテルの菊池企業グループは繋がりを有しているようで、館内の廊下には松平一族の家系図や写真も飾られている。
むつグランドホテルに宿泊した場合は、館内通路を通って斗南温泉美人の湯を無料で何回でも利用できる。
ただし、深夜や早朝は使えないのが残念。
日帰り客向けの温泉営業時間は6時から23時。
宿泊者専用は早朝それより1時間利用時間が長いだけ。
1階に降りてフロントと玄関の間を通り、連絡通路を渡って小奇麗な受付に出る。
受付の担当はてきぱきと愛想の良いお姉さんたちだった。
ここは宿泊者専用の受付で、ここで部屋の鍵を預かってもらい、代わりにロッカーキーを受け取る。
このロッカーキーは脱衣所のロッカーに使えるとともに、宿泊者専用浴室と一般浴室の間のドアを開け閉めする電子キーになっている。
一方脱衣所は妙に使いにくい。
宿泊客が大勢いっぺんに来ても使えるのかと思われる数のロッカーが一ヶ所に固まっていて、横に籠は一応積んであるけれど、その籠はロッカーには入らないサイズだし、籠を置く場所も無い。
受付ではロッカーキーを管理しているのだから、ロッカー数以上に入浴客が来たら、一般浴室の脱衣所を使ってもらうのかな。
着替えるところは狭く感じるが、一応パウダースペースや、四人まで使える座椅子の置かれた畳の休憩室なども付いていた。