さらに海沿いの道を進んでいくと、下ノ崎と福浦崎という二つの岬に挟まれた入り江の所に福浦という集落と漁港があって、何故かここから少し道は陸側に入っていく。
ちらっとぬいどう食堂と看板を下げた店が見えた。あそこはたぶん昨夜さつき荘でウニ丼をわざわざ遠方から食べにくる人もいる有名な店だけど、予約しないと食べられないと言っていたところか。
ここから道はうねうねと右に左にカーブしながら山の方に入っていくのだが、カーナビに表示された地図を見て面食らう。なんじゃこりゃ。
大きな橋でもあれば海岸沿いを行けばあっという間に通り過ぎるんだろうけど、そんな道は無い。橋を作る必要性も無いと言うことか。冗談みたいに海岸線を迂回してこれでもかと山の中に入っていく。
海沿いは薄日も差していたが、山はすっぽり霧が掛かっている。
「あっ、猿!」
夫が車を停めてくれた。
道の左側に二匹、野生の猿が座っていた。手前の一匹はまだ子供だろうか。
「こっちにも」
運転席の方を見ると、道の右側には四匹いた。うち一匹はまだかなり小さく、お母さんに張り付いていた。
再び海の近くまで道が戻って来たところで、500m先に仏ヶ浦駐車場という道路標識が見えた。
まだ仏ヶ浦には遠いと思うが、駐車場があるのか?
そう思っていると、本当に駐車場があった。しかしそんなに規模は大きくない。よく見晴らしの良い展望スポットにトイレと駐車場がある、あんな感じ。
本当にここかなと思って車を降りて、何やらウッドデッキのようなところがあるので登ってみると・・・
すごーいピンポイントで仏ヶ浦を見下ろす立ち位置があった。
確かに凄い景色だけど、まだまだ遠いし。