それからニュー下風呂の場所はどこですか?とこれまたご主人に聞くと、斜め前と教えてくれた。距離にして70mほど。近所だ。
ただし、そんなちょっとの距離でも、さつき荘の玄関に置いてあったサンダルは歩きにくくて足が痛くなって後悔した。
下風呂の温泉街はひと気が無かった。
灯りも少なく誰も歩いていない。
港からは一本入った通りだが、海の気配はする。人はいないが車はたまに通りすぎる。
で、ニュー下風呂。
大手っぽい名称だが、入口は小ぢんまりとしていて、しかも歓楽街温泉的な外観。
中も広くは無いが、でもわりかし綺麗で外観よりは高級感がある。
受付のお姉さんはホテルマンっぽい感じで垢抜けている。
奥の部屋からカラオケの音がもれ聞こえてくる。なるほど今がチャンスだ。
浴室は階段の下。
浴室もめっちゃ狭い。ウナギの寝床ならぬウナギの浴室。
細い脱衣所があって、細い洗い場があって、最奥が浴槽だけど左右に隙間なくすっぽりと四角い浴槽。
ここのお湯もホント真っ白。さつき荘と張る白さ。濃い目のカルピスを流したみたい。
においは硫化水素でもあるが、とにかく磯臭い。さっき食べた海鞘を思い出すほど海っぽいにおいが強い。
肌触りはなめらか。
決して熱くは無いのにぼややーんとやけにあったまってくるな。
良い湯だけど圧迫感のある浴室なのでそこがいまいち寛げない。風情もあんま無いかなぁ。
他のお客さんやお客さんや脱衣所ですれ違った人と会話したけど、みんな何故かこのお風呂が24時間入れるっていうことを凄く喜んで強調していた。そこはそんなにポイント高いのか?
宴会が終わったようでぞろぞろと入浴客が増えてきたのを皮切りに上がった。
猛烈に喉が渇いて倒れそう。廊下に冷水器が備え付けてあって良かった。
湯上りもなんか肌から磯臭いにおいが漂う気がする。